電気主任技術者 デジタル式保護継電器

保護継電器について過去紹介しましたが結局これは電力系統に
発生する過負荷、短絡故障、地絡故障などの異常現象を計器用
変圧器・変流器を介して 入力される電圧電流の大きさ・位相条件
により検出し、この異常現象(故障)による影響が正常な系統
機器に波及することを最小限に止める
目的で使用されます。
OCRの場合で言えば設定変更のためのダイアルがあるこれを回
して変更する事でOCR動作の値、時限を変更するのはすでに理解
していただいたと思います。

こうしたタイプとは別にデジタル式保護継電器という物も使用され
私も初めてそれに遭遇した時は原理理屈は同じでもどうやって
設定変更とか見るのか一瞬Standaloneでした。
多機能ではあるんだけど凝り性なメーカー設計者の癖がある。
ただスマフォを自在に扱える人なら触るきっかけさえ覚えたら
相応には扱える様にはなると思います。
私が管理する現場では下の受電VCBトリップに使用されています。

これらが受電の保護継電器盤の構成でどこの建物にもあるのが
OCR(過電流)、DGR(方向性地絡)、OVR(過電圧)、UVR(不足電圧)

又はOCR(51)、DGR(67)、OVR(59)、UVR(27)の様に言葉ではなく
各()の中の数字で呼ぶ場合もあります。(自動制御器具番号)
現場ではこの数字で私も業者とは話をするので電気主任技術者を
目指す方は絶対にこれら言葉は暗記されておいてくださいね。

リレー試験は停電作業の時に業者がするので選任の電気主任は
覚える必要はない(仕事で日々してる人でないとできないです)
ただ仕様書の設定値の通りなのかその設定値の根拠程度は
知っておかないといけないので★デジタル式保護継電器がある場合
は設定を確認できる程度は操作できる様になりましょう★

OCRの設定値確定方法についての考え方は変わりません。
22000V⇒6600Vにする一次変圧器総容量から最大負荷時のCT
二次電流をまず試算します。
VTと違い二次側が開放してはいけないのでヒューズはCTにはない
22000V地絡動作につてはGPTなる接地変圧器が絡むのですが
地絡方向継電器(DGR)の零相電圧検出のためGPTが使用されて
いて話が更に長くなるので今回はOCRとUVRのみについて記事
にしています。(DGRとGPTについては次回説明予定とします。)

上の場合で1.5倍負荷で動作させるならば5.25Aの1.5倍すると
7.88Aになるはずです。
人によっては契約電力を基準にするという方もいたけどそれでは
契約電力を変更するたびに変更が必要だし専門書では変圧器
定格電流の1.5倍を基本にするという記載があります。
左OCRで設定を確認すると160%、これは基準入力5Aの%倍率
5Aの160%で8Aの設定は7.88Aから選択したのだと理解できます。
瞬時要素(INST)も切替えて表示させこれは実数の倍率で10なら
5×10=50Aで動作という意味です。

右は不足電圧(27)地絡過電圧(64)過電圧(59)の動作を1個で設定
できる継電器でその中の11番項目を表示させるとUVRの動作電圧が
わかります。
つまり22000/110VのVTの二次電圧が90Vつまり22000Vの時に
110Vとなるので受電電圧が18000Vになった時に動作するという
意味です。
ただ動作するとVCBも遮断状態となりますのでそれでは瞬時停電
で動作してしまい無用な全館停電の原因になります。
解決策としてOCR同様にUVRにも時間要素がありますが下の様に
12番項目を表示させ2秒というのが確認できます。
つまり受電電圧が18000Vに2秒以上低下したら動作
(以前新人さんが撮ったdataを使用したので人影は無視して)

年に数回どこの現場でも瞬時停電(0.1秒程度の停電)が発生します。
その時一瞬館内照明が暗くなるのでテナントやオーナーから問合
せがあり、停電時動作についてよく質問を受けたりします。
普通の設備員なら停電したら発電機が回りますの返答でいいけど
電気主任は停電時の動きを説明できないと電気屋なのに"それも
わからないのか"と言われますよ。
瞬時停電ではどうして発電機が起動しないのか、実際の停電では
発電機は起動するのか?という質問を受けた事もあります。
確かに普通の方が思うもっともな疑問だと思います。

1.受電UVR(27)が18000V未満、継続時間2秒を満足すると動作
2.受電VCBが強制トリップ
3.発電機送電回路を残しその他の高圧VCBが強制トリップ
4.3と発電機起動電圧確立の2条件が成立すると発電機VCBが
投入(52G1又は52G2)されて非常用送電となる。
(現在はコージェネを止めて非常用発電機として使用中)
つまり52F6と52F7の高圧回路のみなので消防、非常照明、給水
ポンプ、特に必要として接続した負荷以外は停電のままとなります。
ただ途中VCBのOCR動作トリップでは保護協調で受電VCBまでは
切れないため受電27が動作せず発電機は起動しません。

テナントの中には発電機が運転したのにどうして営業ができ
ないのか
苦情を言ってくる方がいますが発電機は2台計で
1000KW分しかないのです。無理な物は無理です。

瞬時停電が発生した場合は中央監視PCで機械等が停止して
ないか必ず確認してください。
マグネットは電圧が一瞬でも70%未満になると保持ができなくなり
結果、空調機など機械が停止してしまいます。
中央監視で動作不一致を見てるシステムならば無断で停止した
場合は警報が出るのでわかりますがどんな現場もそうじゃない!
後放電ランプは点灯中に電圧が下がり消えると温度がある程度
低下するまで再度点灯しません。(蛍光灯は除く)
(電球の放電開始電圧は温度に比例し電源電圧より高いため)
よくランプが点灯しなくなったとテナントから電話がありますから
30分程度したら点灯する事と理由の説明をします。

電力会社からの様な不測が原因による停電で発生する損害に
ついてまでビル側には責任はありませんがそういうクレームに
ついてテナントに優しく説明するのも電気主任のお仕事です。
電気主任に着任してしばらくはこうしたフローの流れを研究して
覚えておけば十分です。
ある程度なれて来たら実際のシーケンスで勉強しましょう。
これは受電VCBのシーケンスではないのですが27からの動作
は同じ理屈です。
動作時は4番端子からDC100Vが出力されて27X-R12のリレー
がONになる事でVCBがトリップ動作するのです。

これがVCBのシーケンスで27X-R12のa接点が(緑)閉じると
DC100VがVCBの5番に入力される事でVCBはトリップします。
青線がOCR動作時の流れで同じく5番入力でトリップ。
VCBの3番に電圧がかかると通常VCBは投入されますが
過電流51が発生すると51Yリレーのb接点により投入回路
は切れた状態となります。
点検もせずに回路を生かす行為をさせないためですね!
受電VCBではここに地絡のb接点が直列に追加されます。

なぜかVCB投入できないなら上回路で言えば投入回路から
DC100Vが入力されるVCBの3番端子にDC100Vがかかるか。
VCBは毎年点検、5年に1回は精密点検を保安協会がしてる
ので滅多に故障はありえません。
そうなるとその3番の電圧がかからないからで原因としては
51Yリレーのb接点かその手前の操作SWかしかありません。
この51Yのb接点をジャンパーで導通状態にして投入できるか
できないならば操作SW不良しかないと思います。
実際にこれを現場でする場合、普段から現場を見てない
と単なる紙の上の知識で終わってしまいます。


51Y-R1がこのVCBの上の役目をする51YリレーだけどDC電圧
で点検する場合ならテスターなので2点触れないといけません。
テスターで触れる1個は図面の端子番号でわかるけどもう片方
はどこなんだ?という話になります。
(DCで非接地ですから検電器は反応しないのはわかるはず)

外線入力なので途中で受けてるターミナルが必ずあるので
リレー本体ではなくて下の場所で測定を行います。
ここに図面の線番のある配線とDCのP0とN0も必ずあります。
狭いリレーの隙間にテスターの先端を入れるよりなるべくこの
接続点のターミナルでの測定が安全ですから!
ただこれは私が担当する現場のシーケンスの場合であってどこ
ですべきが最善かは現場により異なりますから普段から図面
と現地の配置を目で見てリンクしておくべきです。
遅くても電気主任に着任したらこういう盤の裏を見て3年以内
には線のつながりが全部理解できる様に
なられてください。
その時から貴方は★その現場の完全なる電気屋さん★で業者も
貴方には一目おいてくださいます。
電験1種があろうが現場がさっぱりでは役に立ちはしません。

私の様にリレー接点間でジャンパーしてしまえばそのパーツ単体
で迅速に処理はできます。
ただ違う端子間でそれをしたら場合によっては短絡して線やリレー
が焼損する可能性があるので線番と端子番号をよく見て違う
ポイントをつないではいけません。

ただ故障原因を調査するのに外部インターロックの要素を外したり
回路的に除外する時にジャンパー線はどうしても欠かせません。
貴方も電気主任となったら机の中に必ず1本は常に準備すべき!



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