2015年10月28日水曜日

電気主任技術者 仕事:モーター逆相運転

ポンプ点検から帰ってきた職場の人から飲食店舗からの調理後の排水
が流れてくる雑用水槽ポンプNO2が排水してないと報告がありました。
(手動運転した時の盤電流計が通常16Aが4Aくらしか表示されない)
丸山さんいつものアレをお願いします。とお願いされました。
まずこれがそのポンプが吸い上げた汚水が上がってくる配管です。
様するにこの雑用水槽の底にある水中ポンプに異物がつまり水を吸わ
ないから負荷電流が上がらないのです。


これがそのポンプ制御盤です。(自動交互運転)
5.5KWが2台の直入方式で何も特殊な事はありません。

MCBの二次側でNO2電流を手動運転で計測すると約5A(4.7A)です。
実際に槽内に水がなくて空転ならエアを吸込んでガーと底のポンプ
から大きな音がします
がそれはなく完全に吸込みの詰まりです。
何かが詰まっていますがたぶん油カスの固まりか何かでしょう。
尚水中ポンプはその流水で冷却も兼ねてるため水が流れない状態の
運転を仮に1時間もしたら焼けてしまいます。

正常状態の結線からNO2ポンプ用MCBの赤と白を外しそれを逆に接続。
そうポンプを逆転させてその異物を取るのです。逆転させて底に落とせば
時間が経過すればその塊は溶けて小さくなります。
三相電源のどれか2本を入れ替えたらモーターを逆転できます
ただモーターの逆転は問題ないけどポンプの逆転を長時間行うと故障の
原因になるので1回10秒運転を3回のみ行い再度正規配線にして運転
しました。
ポンプは圧力方向が一方向のため逆にするとビスなどが緩んだり組立その
物に歪が出てしまうそうです。(メーカー見解)

でもここで一工夫が必要になります。
この制御盤は過電流以外に逆相と欠相も見てるので逆配線のまま盤
から手動運転をしたら警報が出て運転は強制停止となります。
そこでまず制御電源を切り制御を停止させます。
上でNO2ポンプマグネットのここを指で押さて強制的にマグネットをON
状態にさせればモーターに通電されるためポンプの逆転ができます。


逆転後に結線を正規に戻して運転電流を再度測定してみました。
★電流は16.8Aと回復して詰まりは解消されました★

逆相運転をやもうえず行う場合に注意しないといけないのは一旦
線を外すので線の再接続は確実に行う事、緩んでいて停止状態から三相で
あるべきとこを単相運転をしたらモーターを焼く可能性があるからです。
逆に詰まりではなくて硬い小さな金属物がポンプの羽などに引っかかると
ロック状態に近くなり電流値は逆に上がる事となりこういう場合も逆転すれば
解消できる事が多いのです。
それでダメなら業者に依頼してこのポンプを床までチェーンブロックで上げて
もらい内部を目視点検してもらしかありません。
(深夜作業ですからこれだけでも15~20万円はかかります)

フロート制御ではこういう感じでフロートの体勢が異物のせいで変わらない
場合
では水がなくてもあるという事になりポンプは回り続け最後は空転して熱
で焼損します。
又逆にポンプがいつまでも回らないないで満水警報が出る可能性もあり
ます。(満水警報が出ると2台強制運転とはなります)
その点では前述のポンプ詰まりがないなら満水による実害は少ないけど
満水が頻繁に出ると運用上で不都合な現場が多いはすです。
(電極式は受水槽の様なキレイな水を扱う環境しか使えません)

油の塊かパン粉の塊か?とにかく異物が多い状況ならば電極式もフロート
式も適さない状況は実際ありえます。
飲食店舗の集合排水槽ではどこの店舗がこっそり違反してるのか特定は
まず無理なんです。違反者は何を言っても結局されます!

こういう方法には賛否両論あるかと思いますが一部のそれにはこういう改造
を私がして現在は正常に運用しています。
通常のタイマーではON/OFFの回数はデジタル方式でさえ10点は無理なの
でINVというインターバルタイマーで毎時間同じ動作をさせました。
今のところフロート異常で発生するのは"ポンプが起動しない"だけなので
ポンプのOFF制御は残してはいます。
つまり毎時間00分でポンプ起動電極を1分短絡させポンプのOFF制御で
停止させるという方式なのでポンプ運転時間は固定ではありません。

実際1ヶ月この運用をしてその後で内部を目視点検したら槽内がびっくり
するほど綺麗だったのです。

つまり★毎時間必ず運転する事で★排水が速やかにされるため濃縮が
なくなったせいだと思います。(通常は水位が規定まで上昇して運転開始)
こういう排水槽は排出物を濃縮させない様に排水すれば逆にフロートに
係わるトラブルはかなりなくせるというのを私なりに感じました。
(油成分が蓄積して冷えた時に固まるのが一番の原因は私は途中から気
がついてはいました)

⇒私のブログの最新記事へJAMP
ページ最後では"前の投稿"をクリックしたら過去記事が読めます。