停電作業前勉強会

OCR(過電流)、DGR(方向性地絡)、UVR(不足電圧)はどこのビルや工場
でも必ずあるメインの保護継電器です。実際問題として適正管理、適正環
境な現場であればOCRやDGRが動作する様な事はまずないと思っていいで
す。ですが必ず係るのがUVRの27で停電作業をすれば動作しますし、配給
側の事故による停電でも動作するのでこれだけは知らないでは済みません。
近日停電作業があるのでO君ら二人に現場でレクチャーしました。UVR(27)
の動作は電気主任技術者の基本中の基本で27が動作すると中央監視PC
及び現場盤でも不足電圧という表示が点灯します。警報音は故障一括回路
で動作して現場では鳴動します。よくわからない事を質問してください。と言
われますが知識0ではそれは無理なのです。教える立場としてはまず教え
て当日の業者さんの作業を見学しながら疑問点に気がついてほしいです。
私もわからない事ばかり、疑問に気がつける事こそ進歩の元!
停電作業、年に1回電気の現場プロが集結する場、その時を単なる立会い
で終わらせてはもったいないです。又それでコミュニケーションも取れてお
仕事も円滑にいくのです。言葉ではO君には言わないけどそれにも気が
ついてほしいです。

DSとVCBの間にVTがありそこの電圧を検出してUVRは反応しますが動
作は値と時間のAND回路条件でUVRは動作するのです。これは他の過
電流(OCR)、地絡(DGR)の動作においても同じ考え方で値と時間の2
条件が同時成立した時に"異常あり"とする
のが電気の保護装置であ
る継電器の基本思想です。

上の様な充電部の前には実は透明の絶縁バリアーがあります。VT
とCTを盤内で人目で見分ける方法はヒューズがあるのがVTです。
CTは二次側を開放できないためそれはありません!VTつなぐな
CT開くな
と昔、父から教わった事もあります。

これがUVR(27)ですが私が指で示してる値がVTの二次電圧です。
6600V回路にある物でVT値80Vが0.5秒継続したならばこの中の
接点が動作してそれを利用しVCB切りや発電機起動のきっかけと
するのです。この場合この位置のVCBをトリップ目的で使用してい
ます。高圧受電現場では発電機回路へ起動信号を送る役目もし
ます。80Vとは110Vで6600Vですから(6600×80)÷110だから
受電電圧が4800Vになったらという意味ですね。瞬時停電で
動作してはいけないので時間要素を設けます。
VT不良で電圧低
下してもUVRは動作しますから普段の管理においても傍を通った
時はこの値を見る習慣を持ちましょう。又継電器の動作表示を
ターゲット表示と言いますが電気主任らしく業者にはこの言葉を
使ってください。

同じ継電器でもこれはデジタル式で受電回路で使用されています。つま
り22000/110VのVTの二次電圧が90Vつまり22000Vの時に110Vとな
るので受電電圧が18000Vになった時に動作するという意味です。これも
瞬時停電で動作しない様にUVRに時間要素があります。下の12番項目
を表示させ2秒というのが確認できます。つまり受電電圧が18000Vに
2秒以上低下したら動作
して受電VCBを切る、発電機回路を動作させる
流れとなるのです。継電器設定を通常変更する事はありませんが設定値
を見れる程度に操作方法は習得しておきましょう。


受電停電中は不足電圧が赤点灯します。大雑把に言うと停電してこれが
そうならない場合はUVRにトラブルが発生してるので関係VCB動作や発電
機が起動しない可能性が高い。停電後に一連の動作が開始しない場合
は最初にここを確認するのが私流。LEDランプであっても停電作業前は
ランプテストをして点灯するかの確認は欠かせません。そうそんな小さな
事が意外と重要であったりします。
こういう事って現場担当して気がつくの
です。UVRでターゲットが表示されてもそれの内部接点が動作しない事に
はダメです。逆に停電で関連VCBは切れるが発電機だけ起動しないなら
受電盤内の発電機回路行きのリレーの動作表示ランプが点灯してるか
確認します。

上で言う動作表示ランプ付リレーとはこれらの事です。どのリレーがどの
回路用か把握しておけば不具合時に原因調査ができるのです。停電作
業で発生する可能性のあるこの現場特有の事象を検証して緊急時にど
うすべきかいくつか対策を考えてはいます。絶対にその時になって図面
を調べて考えてる様では遅いです。保安協会の方は確かにすごいけど
普段はここにいないわけで急にはわからない、逆に私がある程度理解
してる事で状況を説明できるなら強力なサポートがもらえるのです。

こういう回路は同じリレーを使い組んであるので最低2個でも在庫が
あれば対応できます。こんな小さな事が意外と重要です。1個2000
円程度ですから安い安全対策とも言えます。

これは空調回路に使われるリレーですが構造は簡単でこれらの端子
にどこの回路の接点が関係してくるのか?それが何でも重要です。
確実にリレー異状でインターロック接点が解除されないならジャンパ
ーするとかの応急処置もここから電気主任の頭の中に生まれます。
もちろん取替パーツがあるならそういう必要はありません。

可動接点と下端子間を使えばa接点、可動接点と上端子間でb接点
になるのが想像できるでしょう。こういうaでもbでも可能な接点をC接
点と言います。リレーコイルに電圧がかかるとLEDが点灯する仕組で
す。余談ですが表示電圧値が同じでもDC用リレーはAC用リレーの代
用にはなりません。逆も同じです。


発電機回路のX41-X42間をジャンパーして発電機が起動しないなら発電機
業者での修理が必要です。発電機業者は発電機しかわかりませんから受電
側が悪いのでは?と言われてるのを想定して停電中に原因確定しておくべ
きです。電気主任になってこの5年間イザの対応を常に研究してきました。

停電作業で発電機を停止してる現場と都合で一部負荷に送電する
ため運転させる現場がありますがここは運転するのです。500KWの
発電機が2台あるのですがその日は1台だけ運転します。停電時は
毎月の試運転とは違う電気回路で起動条件を構成する
ので受電27
~発電機回路の各リレーつながりと動作も電気主任は知ってないと
安心して停電作業なんてできません。手動で起動させて手動で52G
のVCBを入れたら?その場合に逆相しないか必ず関連するVCBを確
認する!52Rのb接点がインターロックであるから大丈夫?でも絶対
に間違えてはいけない事は私は自分の目しか信用しない
事にして
います。そう工場で父からは学んだのです。

動作上、発電機VCBは電圧が発生し電圧リレーのa接点がONとなり受
電からのb接点がONとなるその2接点を直列にして発電機VCBの投入
回路にDC100Vが入力されて自動投入されます。直前にパネル左下の
"遮断器投入可"ランプが点灯します。故障する可能性が高いのは受
電にあるそのインターロック用リレーです。それは受電中は常時励磁
状態ですからね。インターロック用リレーが故障してたら手動でも発電
機VCBは投入できません。

UVRの裏はこんな端子構成になっています。

製品マニアルを調べると内部回路図があるので見ればすぐに役目は
想像できると思います。

UVR単体の接点のみを利用して中央監視PCへの停電警報、VCB切り
発電機起動を構成するならばこんな感じになります。

でも実際の現場にある回路はUVR接点を利用はしますが設計者の
作成した回路で動作する事になります。27X-R3という回路を通じて
各表示回路は動作させていますがVCBのトリップ回路はよく見ると
27X-R3とは絡んでいません。27X-R3はアナンシエータリレーとい
い簡単に言えば監視を行うために異常時ランプの点灯やベルが鳴
るようするための物です。記載が扱い難いので27X-R3のままで説
明します。

上27X-R32リレーのa接点がVCBのトリップ入力5番に接続されます。
停電して27X-R32リレーが動作しそのa接点が閉じるとDC100Vが5番
にかかりVCBは遮断動作をします。(すべては理屈通りです)過電流や
地絡発生時もこの5番入力に電圧をかける事でVCBを遮断させるのは
同じ理屈です。正確に言えば手動操作でVCBを切る時も5番に電圧を
かけるのです。故障でVCBが切れないなら5番、投入できないなら3番
になぜ電圧がかからないのか順番に追っていけば必ず原因にたどり
つけます。DC100V回路ですから対地間静電容量回路が発生しない
ので検電器は反応しません。どことどこにテスター2点を当てたら測定
できるのか?普段から回路図を見てないと点検も満足にできません。

これが上回路の現場のパーツの配置状況です。図面だけ勉強しても
現場でのパーツや配線位置がわからないではイザで対応できない
ため必ず図面と現地はリンクさせて覚えないといけません。
ビル管理ではたぶんこういうとこまで職場で教えられる人はいない
ので自分で研究するしかないと思います。

停電作業当日は私が受電22000VのDSを切り、甲種アースを完了した
時点で私の背中で待機してる業者に作業開始の命令を私が出し作業
スタートとなります。お願いすれば業者さんはこの作業してくれますが
最初に私が作業する事で業者さんも気持が引き締まると思いました。
ベテランばかりでせめてやる気だけを示そうとこの作業は前任者から
交代後はこちらでする事にしたのです。初めての時は作業員全員の鋭
い視線に逃げたくなりました。でも何人の方から"よく出来ました"と拍手
が出た時は嬉かった。VCBは切りで電流は0Aですから受電状態でもDS
開放はできますが電力の指示で送電停止後に行うルールになっています。
当たり前ですが接地は電気を止めてもらわないとできません。

これが甲種アースの時に使う物ですが一旦線路にクリップすれば締め
込むだけです。普通のDS棒と違い長く重い、力のある男性にはどうって
事ないでしょうが私はバランスを崩すと倒してしまう可能性がありました。
アースは先に接地配線を取付してから線路にクリップします。ただ最初
これを私が操作すると聞いて皆さんは???となられたのです。今は
体も鍛えたので楽勝です。もし送電線トラブルで急に電力が工事をする
から甲種接地を取付してほしいと言われたら私がしないといけないです
電気室にある高圧機器の実務操作はすべてできないといけません
DS入切、LBS入切、VCB引出し、VCBとDSのインターロック動作など
未経験の方は必ず自らの手で操作して一度は体感しておいてください。

変圧器の一次側にあるのがLBSで二次側でMCBやELB増設工事を
業者にしてもらう時は変圧器を一次休止させます。これは必ず操作
できる様にしておきましょう。ビル側設備操作は基本電気主任がす
べき事なのです。負荷側MCB/ELBを切る⇒電流0確認⇒LBS切り
関係するテナントと周知徹底をしてから必ず行う事!(夜間作業です)
テナント工事で業務用エアコンを増設をしたいが空三相がないなら
電気室から専用回線工事をします。が盤にも空ELBがないなら変圧
器の電気を止めてからでないとできないのです。停電作業でなくても
日常的に発生するのでLBS操作した事ないでは困る事になります。

正面の長いのが電力ヒューズ(PF)で短絡するとこれが切れて変圧
器を保護する、そして1個でもPFが切れるとこのLBS本体が強制的
にトリップします。 白いのはアークシュートといい切れた時に発生す
るアークを閉じ込めて相間短絡を防止する物です。LBSはDSと違い
負荷電流までの開閉能力がある
ので電流0にしなくても実は回路を
開く事ができます。ただMCB/ELBを入れたままでいきなりLBSを切る
人は私の経験上出会った方にはいません。開閉操作はDS棒で行い
ます
が必ず最初は先輩の実操作を見てから行ってください。本で読ん
だだけで実操作を行うのは何でも事故の元なのでやめましょう!

PFは溶断すると底からストライカーという小さな棒が飛び出すその動き
をワイヤで上のリミットSWに伝えるます。これでこのPFが動作したのを
検知して中央監視PCに警報及びLBSの切り操作へ進行します。(この
LBSでは3本PFがあるのですべてにこれがある)逆に言えばこのリミット
SWを手で押してもLBSは切れるのはわかると思います。PFで短絡が発
生するのはLBS取付点~変圧器間での電気事故で生物でも進入しない
限り通常はありえないです。ですが私が電気主任となり3年目に全変圧
器のPFを保安協会に取替してもらいました。10年に1回は取替した方
がいいそうです。
交換推奨と停電作業報告書に記載されたら無条件に
どこのオーナーでもされるはずです。

これがLBSの回路図です。左下の電力ヒューズ溶断でONがリミットSWの
事でそれがONすると格PFX11~PFX13のリレーがONになるのは信号
を追えばわかると思います。リレーがONすると上のa接点がONとなり
LBSのトリップコイルに電圧がかかりLBSを切る。つまり1個でもPFが
動作すればLBS全体が切れるのです。三相変圧器に2相だけで充電
したらどうなるか?
想像されてみてください。


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