2017年8月19日土曜日

電気主任技術者になるためのスキル面

電気主任求人に応募すればライバルに私程度なんて普通にいます。
今現在関連する職場で働いていてそこで選任されるなら何の問題も
ありません。ですが転職でいきなり目指すならば資格はあっても未経
験では難しいです。私が貴方と採用候補とされたとして私なんて楽勝
と思える程度でないと電気主任技術者として貴方が雇用されるのは
無理だと思います。いきなり電気主任求人で求められるのは即戦力。
もし入社初日に下で書いたトラブルがあったとしても場所の問題は別
として次にすべき事がわかる人、できる人、それが即戦力です。

試験合格は自分の努力で実現できる、転職では他人に勝たないと
自分を生かす事ができません。貴方の最初のライバルは私です。
それに電気主任求人では応募者全員が資格所持者で電験三種が
有利になるという口コミは嘘
です。又私が今の会社の電気主任募集
に応募した時、倍率は50倍だったそうで資格者は自分だけじゃない
現場未経験ではまず見習いで就職し数年実務を覚えてから電気主任
を目指すしかないです。、私もそうして電気主任になれました。

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まず電気主任として私がトラブル対応した過去記事事例の中から
再度紹介します。経験があるならば入社まもない電気主任でもこの
程度はできるのです。

今でもはっきり覚えてる昨年の真夏一番暑い時期のトラブル500冷凍
トンの冷温水発生器を3台運転していた時NO1号機が急に異常停止し
ました。

私はちょうど受変電設備の巡回のため館内のどこかにいたら携帯に
連絡が...係長からで冷凍機が停止したという事で全員中央監視室
に帰還命令でした。すでに職場の男性が二人現地に行っていたので
"丸山さんエラーコードではバーナーファン過負荷だけどこれはどう
いう意味ですかね?"と言われてすぐ制御盤の扉を開けてざっと中
のパーツを目視してみました。あ!これだ。バーナーファンのTHR
がトリップしています。トリップすると動作表示ボタンが飛び出します。

すぐ業者に男性が連絡されましたが他のトラブルで技術者が現在い
ないためすぐに来れない!という返答でその後だから夕方に来る事
になりました。今日暑いから2台では大丈夫かな?と一旦中央監視
室へ戻りPC画面の温度を見てたらジワジワ冷水温度が上昇30分
程度したらテナント数社から暑いと連絡が事務所にありました。

各フロアー担当3人の方が来られて急に部屋が暑くなったけど冷房
してますか?ええ壊れたんですかと悲鳴!
2台で過負荷状態のため機械の冷却水出口温度も38℃ヤバイ...
このまま上昇して正常機まで停止するかも?業者が来るまで待って
いれません。係長が丸山さん何とか応急処置できませんか?とお願
いされました。テナントだけならともかく一般客もいますから真夏で
ビルの中を30℃以上は絶対に許されません。

男性3名と再度現地に行き問題のバーナーファンを検証モーターが逝
ったのならもうダメだけどマグネットの二次側でメガしたら生きてる事を
確認、なのにどうして過電流が流れたのだろう?私の薄学では運転中
に単相運転となり2倍の電流が流れTHRの設定に達してトリップ動作
したしかないないです(理論的には1.73倍だけど実際倍は流れる)

まず状況を再現したいのでこのバーナーファンのみを単独運転したい
けど最初に見た通り電子制御なのでそういう操作はサービスマンしか
できません、様するにマグネットのあそこを手で押せばモーターに電圧
がかかりバーナーファンを回せます。私の直感で制御基盤が生きてる
状態でそれをすると中央監視でいう状態不一致だからまた余計な警報
を出したくないしこれで壊したらマニアルにない操作だから業者に後で
その事を報告書上で叩かれる可能性があります。
後燃焼ガスが連動して噴出したらヤバイのを一番懸念したので制御
電源をまず切りました。これで制御は完全に停止してる状態なので
単独でバーナーファンを回す事に支障はないはずです。

上は運転状態で停止中はその部分が飛び出しています。制御を無視
して強制的に負荷を稼動させたい場合押せばいいのです。ただ直入れ
起動モーターに限る。手でそれを押したらファンが運転開始しました。
(制御電源を切っても主電源は入れてるのでマグネット一次側には
電圧はあるから上操作でバーナーファンモーターに電圧はかかる)
あれ?音も悪くない!でも1分くらい経過すると手で触ってるマグネッ
トがブーンとうなり音を発生。この音と振動は単相運転になった時の
状態にそっくりです。これならなんとかできる!希望が一瞬見えました。

マグネットのコンタクタを抜いて見るとかなり炭化して劣化状態でこれ
はすり合わせても30分したらダメになるかもしれない状態で交換
しかないと判断、これと同じ製品のマグネットで同じ型式のをどこかで
見た覚えがある...あ地下のあのポンプがそうでした。衛生関係の
ポンプで2日程度運転しなくでも大丈夫なのです。
ただ早急に状態改善が必要で本体をそっくり交換してる時間もおしい
ため中のコンタクターを抜き出して冷温水発生器のと交換しました。
その後で3分運転させたけど今度はまったく正常でTHRも動作しませ
ん。すぐ携帯で中央監視室に電話して1号機の運転を依頼しました。

たとえば営業中のポンプやファンのマグネットが入らない場合で励磁
コイルに制御回路から電圧がかからないならば当然です。
たた調査修理は営業終了後に行うとして早急にモーターを運転しない
とテナントに多大な迷惑をかける場合もあります。そういう場合で私が
よくするのは回路から来てる配線はすべて外してタンブラSWで直に
電圧をかけて手動起動する方法です。基盤制御では基盤が故障する
と手動回路も動作しないのでこうしか方法がないのです。この10年
以内のビルならば本にある様なリレー回路ではなく基盤ですべての
制御をしてるでしょうね。ただモーター電圧と制御電圧が異なるなら
制御電源電圧をタンブラSWでかけます。

基盤交換はこんな感じで簡単だけど設定入力作業がめんどなので
急ぐ時はタンブラSWで運転を再開して営業終了後に基盤交換を私
はしています。前任者はこの程度で業者にしてもらっていたけど私
でもできるので基盤を事前に会社で購入して今は在庫としておいて
あります。設定入力は運転表示パネルを切替えてそこからデジタル
入力していきます。こういう基盤制御は部品交換しただけではダメ
でその現場にマッチした初期情報を登録しないと機能しないのです。

これは空調の加湿器故障時で業者が来るまでこんな応急対応をしました。
(温度SWのHDなんて在庫で持ってませんから業者しか修理は無理)
テナントの支店長から"こんな状態では社員がインフルエンザになる"と
激怒を受けた時ですね。ここでは30分事に加湿器を運転させている。
加湿をかけすぎると窓に大量の結露が発生すると思ったのでこうしました。
自分の感覚では湿度なんて低くても大丈夫なんて楽観していても利用者
から苦情が出ればそういう理屈は通らないので何とかしないといけません。
テナントの中には業者を読んでますと返答すると"お前らはレベルが低い"
とか逆切れする人もいるのでそういうテナントは気を使いますね。

ただ業者点検をしていても老朽化すれば故障してもおかしくなくそういう
場合に一次対応を要求されるのは電気担当なのです。
今業者を呼んでます。だけで毎回何もしないでいると誰かに"電気主任
なんて自分でもできる"とか嫌味を言われるかもしれません。

これはファンコイルのコントロールが故障して応急対応をした時。
コントローラーのコネクタはすべて外して端子台のとこでNと1を
ジャンパーすればFCUはとりあえずH運転は可能となります。
けっこう高い位置にあるので毎日ON/OFFは面倒ですからこれ
パーツが納入されるまでの一週間応急処置でした。

これは昔記事で紹介したスターデルタ起動BOXです。
実はこれ私の父が自作した物で目的は設備の誰もが何も考えなくても
運転再開してもらうための応急ツールなんです。これを今回もらいました。

ただこれですと本修理まではトグルSWのON/OFFを毎日する必要があり
ますから今度暇になったら私の得意なTB15601Kと会社の基盤既存
カプラーを追加し運転時間設定もできる様に更に改造して私のお仕事
で使える様にするつもりです。今etc多忙なので涼しくなったらします。
昔父の母校の工業高校の文化祭に父と行った時に学生さんが見事な
便利ツールをリレーやタイマーを使用して作られていてビックリしました。
私は電気主任なんてお仕事をしていますが学生さんに負けていられない
とその時から思っています。ない物は自分で作るって素晴らしいです。

ON/OFF接点、タイマー接点を組合わせるだけの事ですがそれをどう
組合わせるかで面白い作品ができ16歳の若い発想に感動です。
こういう事は大人が本で勉強しただけでは真似できない世界でただ
毎日を同じ事をして生きていてはダメだと反省させられました。
電気主任になる事はできたとしても長くその現場で信頼されてこのお仕事
ができる人達ってこういう事が好きな人だと思います。電気という物を楽
しみながらお仕事ができる私の父の領域までいくのが私の目標ですね。

ある飲食の排水槽のフロートが故障して交換までは手動で水を毎時間
5分運転しないといけない事態が前発生しました、そこでインターバル
タイマー(毎時間同じ動作を繰り返す)で起動線とCを短絡する様に配線
しました。ただ夜間は排水しないのでこの制御は切らないと空転してモー
ターが焼けてしまいます。
そこでもう1個タイマーを追加して21時から8時
までは電極の配線の接続を切る様にしました。こんな改造をいきなり依頼
してもすぐしてくれる業者はいないので私がしたのです。
電気主任というお仕事をしているとある程度の電気工作の腕は必要です。
鋭い方は気がついたかもしれませんが夜間切り用タイマーは電源と接点が別
回路になってるタイプで通常の照明タイマーではありません。3日間の仮説な
ので配線が汚いのはそういう理由です。こういう場合は工業用アクリルテープ
を使えばFLATな盤面なら一時的に物が固定できます。

電極式で説明するとE2の電極が折れた、電極は今ない、厨房関係では
毎時間排水しないといけないのでそれを人がしていては大変です。
水がポンプ起動位置までになったという偽の状態を作ってあげればいい
だけです。夜間切り接点はインターバル接点の二次側につけないと夜間
ポンプが停止しないのはわかると思います。

排水槽ってなぜか減水警報がどこの現場もないのです。水を排水する
だけなので不要という事でしょうがここで電極やフロートまたは61Fユニット
故障でポンプが水がないのに空転してしまう事があり私も経験しました。
こういう場合はマグネットが動作したら連動して電圧がかかるタイマーを
増設します。日常5分程度ならそれ以上の7分で中央監視に行く何かの
警報接点を短絡させたらそのポンプ室で異状が発生したのがわかります。
少し工夫して1個のタイマーで2個マグネット動作を担当させます、これは
業者がこういう改造を拒んだので違う支店ビルの設備の方にお願いされ
て取付した時のです。(業者は通常仕様にない改造はしません)
急な依頼でリレーを買う暇もなかったのでもったいないけどマグネットを
リレーの代わりに使用しました。ここまでは誰でも思いつくけどよく考えた
らこれではまだダメなんです。

満水警報を出すと強制2台運転となるのでポンプマグネット励磁コイル
への通電を止めないといけません。単に制御回路をN.C.接点で切った
だけでは確かに一旦はポンプは停止しますが同時にマグネットが切れる
ためタイマーの電源も切れN.C.接点はすぐに復帰してしまいます。
するとN.C.接点は導通状態となるので電極側の異常はそのままですか
らまた排水ポンプが再度運転してしまいます。

タイマー接点でリレーRを起動させてそのb接点でマグネットの既存コイル
電源を切る。ただ★リレーRは切れない様に自己保持させる事とします★
警報は最初上の様にタイマー接点を考えていましたがリレーRのa接点を
利用しないといけない事も後で気がつきました。これでタイマーがOFFに
なっても警報とポンプ運転ロックは継続できます。パズルと同じですね。
違う支店の人の前でするから1時間で仕上げて良いとこを見せるつもり
でしたが半日以上かかりました。でもそこの電気担当の方に勉強になり
ましたと言われたのでお役に立てて光栄です。これが経験の積重ねです。

機械のマグネットトラブルのほとんどはこのコンタクター劣化です。
長年の使用で接点表面がこういう状態になります。

軽く磨けば綺麗になります。こういう事をするのは良くないという意見
があるのは知ってるけどあくまで緊急時に代替部品もない場合のみ
ただそういう暢気な事は関係者になったら言っていられません。
実は工場設備勤務時代では年に1回すべての空調機などのマグネット
の接点磨き作業があり私は見習いでしたので散々させられました。
ただそれでマグネットが不具合を起こした事はなかったそうなのでこう
いう事をするのに私はそれほど危険性は感じません。


コンタクターは抜くのは簡単だけど挿入する時は確実に中のスリットに
挿入しないと中途半端にしてマグネットを投入すると最悪モーター短絡
事故となるので注意は必要です。三相運転中に単相運転になる場合と
違い起動時に単相電圧を三相モーターにかけると短絡に近い状態とな
ります。

せっかくだから分解をしてみました。底のフック式の止め金具を外して
上ケースを取ってみました。ただ実際はフックを外しただけでは簡単
には取れないためここまでの真似はしないでください。中の部分が
割れたら使用ができなくなります。少し手先の器用さが必要です。

真ん中のスプリングで可動部を押し戻し電磁石の力で逆らい接点を
投入するシンプルな構造ですね。こうしてみるとマグネットは機械的
な部分は滅多に壊れないでこれによる故障被害は接点絡みというの
がわかるでしょう?


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夜勤の方から電話があり一般電灯2変圧器が地絡したまま復帰せず
B種接地線には500mA出たままという内容でした。
私の地絡調査方法は何回も記事にしたので今回の調査状況の写真
は撮ってませんが初めて私のBlogを読む方のために方法は同じなの
で違う回路の写真で説明します。まず中央監視PCにて低圧地絡警報
LGRが出るのです。
この現場は高圧系統地絡ではVCBトリップも伴い
ますが低圧回路地絡では警報のみで回線の遮断は送り側では行わ
ない設計になっています。

現地の変圧器B種接地線でどれだけのI0値があるのかが大切です。
基本50mA以下で500mAという状況はこの変圧器回路の二次側の
どこかで漏電が発生しています。ここまでは設備の誰にもしてもらい
夜中ならその値を私に報告してもらう様にしています。
単相三線式なら下の様に真ん中が接地してありここに流れる電流
を監視してるのを低圧地絡警報と言いいます。


尚、三相変圧器のB種接地は必ずしも真ん中とは限りません!
三相変圧器の二次側結線は通常デルタでRSTのどれか1線を接地
されています。たとえばこのマグネットは真ん中を押込まれてるので
確かに200Vがかかっていますがなぜ素手で感電していないのか
配給元の三相変圧器はR相が接地されているからです。
単相三線式からの200Vは対地電圧100Vですが三相二次側デルタ
の対地電圧は200Vですから下の場合ではSやT相で同じ事をしたら
電撃を受けてしまいます。乾燥した普通の状態ならショック状態に
なる事はないけど注射針をいきなり刺された感じのガチ痛い経験を
する事となります。あくまでBlogで説明するためにした行為です。

ここからが電気主任としての私のお仕事でどの回路でその漏電が
発生しているのか個別に各I0値を調べて不良回路を確定させます。
それが3Fと4F用ならEPS主幹で同じくI0を測定して階を確定させる
3Fが漏電階ならばそこにある各送りをI0で調べていけば漏電が
発生してる店舗がわかります。天井内分岐で複数店舗の場合は
各店舗主幹でI0値を測定して漏電店舗を確定させます。
ケーブル調査では口径が80mm以上のリーククランプメーター
必要です。口径50mm以下では3本ケーブルを挟めないです。

EPS内のテナント2社共通電源回路でI0が553mAの時です。
正常時は15mA程度しかありません!後は各店舗主幹でI0を測定
すればターゲットは確定します。もし将来私と同じ用にケーブルで
のI0管理を始めて調査した場合に低圧回路でI0が100mAを超え
てる場合はまずどこかで漏電が発生しています。配電設備変圧器
にLGR警報がなく、B種接地電流測定もしてない現場ではMCB回路
で漏電が発生していても気がついてないでしょうが怖いですね。
(実際LGR警報がない現場もあります)

保安規定により年に1回ケーブルの幹線メガはしますが機械的な
何かのダメージなどで起きる絶縁抵抗不良はいきなり発生するわ
けで半年以上も絶縁劣化状態に気がつかない恐れがあります。
LGR警報がない現場では特にケーブルでのI0測定程度は毎月さ
れるべきと思います。保安規定に定められてる事だけしてればいい
と言われますが火災事故が発生したらどうしてその問題点がわか
らなかったのかと私がオーナーなら電気主任を指摘します。

日本で販売してるリーククランプメーターで一番口径が大きい
がこれでマルチ社のMCL-1100D、口径が110mmもあります。
これならケーブル漏電調査は無敵ですね、こういう物の購入を
計画されてる方にはお勧めです。

3桁のI0値は100%漏電だから今更I0rを測定する必要もないです
が必要な場合はRM-1と組合わせたらリーククランプメーターでI0r
も測定できます。EPS位置でのI0rならば正常なら10mA以下でしょう。
テナント分電盤主幹ならI0で10mAでもI0rで測定すると≒0mAもあり
ます。ビル設備ではI0が100mAを超えていたら私の経年上I0=I0r
と考えて構いません、I0の急激な上昇の原因は対地間抵抗低下に
よるI0r成分の増加だからです。

対地間静電容量はどんなAC回路でもあるのでI0cの影響もあるけど
I0cの影響だけで今回の様な500mAもI0は流れないです。

テンパール工業のRM-1はお持ちのリーククランプメーターに組合わ
せるだけでI0rが測定できる、しかも実売は楽天で15000円なので
売れてる商品です。ただこれは発生してるI0cと逆位相の電流を発生
させてI0rだけを既存のクランプメーターに残す機器でこれ自体では
測定器ではありません、少し練習しないとい使えませんが楽勝です。
I0rクランプメーターは10万円しますからこれなら会社で買ってもら
えると思います。RM-1はノイズカット機能がないので普通の負荷電流
だけを測定する安いクランプメーターには使用できません。

店舗が確定したら店舗分電盤主幹でI0を測定してこの店舗不良を
再度確認します、EPS送りとこの主幹間ケーブル不良もありえるから
で逆に店舗主幹でI0が10mA未満とかならケーブル劣化です。
電源元(変圧器)から探してきてる関係上、主幹まではあらゆる漏電
の可能性があるので"店舗で漏電してる"とだけ固定観念を持たない
事も大切です。今の時代メガは全館停電作業で行う年1の絶縁抵抗
測定か確実に不良回路と確定した回路に限定されるので漏電調査
ではリーククランプメーターが調査の中心となります。

各MCB子回路のI0を調べていけば今回の場合では400~500mA
漏電してる回路が必ず見つかります。
下は主幹でI0が通常5mAの
テナントで50mA出ていたケースで、ある1回路が約45mA漏電していま
した、この★末端位置ではI0は基本1mA未満が原則です★
この位置では大口径のクランプは入らないので通常の口径の測定器
で調査を行います。尚店長に連絡して停電許可をもらえたならばメガで
調査をしても構いませんがけして無断で店舗の回路電源を切らない事
です。500mAも漏電してたらメガで測定したら≒0MΩですがMCBが対地
間短絡せず切れてないのですから完全に絶縁抵抗が0というわけでは
ありません。もちろんこの回路はこのままではもう使用できません。

I0rクランプメーターの裏機能に活線メガというのがあります。
これは抵抗分漏れ電流I0rを測定するので対地電圧を割れば計算上
は停電して測定するメガと同じ値を通電状態で知れるというのが活線
メガと呼ばれる物の理屈です。自然発生的に発生するI0はほとんど
値が変動しませんが漏電時に流れるI0は値が変動します。値が変動
しては正確に演算するのは難しいと個人的には思うので活線メガとい
うのは私は扱いません。停電さえできるなら通常のメガが絶縁調査で
は一番信頼できるツール
である事には違いはありません。

DC電圧で線路を測定した時は対地間静電容量は発生しないのでメガ
は純粋に対地間抵抗を測定できるのです。ただメガは停電させて測定
するわけで
機器は停止している、つまりマグネット等は開放された状態
なのでMCB位置からモーターの絶縁状態までは測定できません。例と
してエアコンや冷蔵庫でコンプレッサーが起動した時だけ発生する漏電
はMCB位置からのメガ測定ではわかりません。その場合はMCBからでは
なくて機器内のモーターの端子台のとこで測定するか、もし不良ながら
機器を運転できるなら運転状態でI0を測定できるならば線路と機器を
含めた絶縁状態の判定ができます。絶縁抵抗測定なんてただ当てたら
いいと思われるかもしれませんがどこで測定するかが問題
です。

たとえばこういうモーター回路の絶縁を測定するのにMCBやマグネット
の一次側でメガをしてもモーターの絶縁抵抗は測定できません。
直入起動ならマグネット二次側、スターデルタでは3個あるマグネット
の主マグネット二次側で測定しないといけません。
この盤の制御回路はリレーではなく基板制御なので基盤電源のMCB
二次側から運転中にI0を測定して絶縁判定(1mA未満)を行います。
基盤制御の回路はメガを当てるべきではありません
100Vメガなら大丈夫とかで実施して故障を発生させてからでは高い
取替費用だけが現実発生するわけでオーナーから攻められますよ。

照明リモコン回路でリモコンが切れてるのにMCBの二次側でメガをして
も照明回路の絶縁測定はできてないです。リモコンリレーで点灯する
照明回路はMCB二次側ではなくてリモコンリレーの電源供給側の二次
側で測定しないと照明回路に電圧がかからないのです。
リモコンリレーは停電直前の状態(ON/OFF)を機械的に保持しますが
ONかOFFを1個づつ確認するのは大変なのでMCBを切ったならリモコン
の二次側で絶縁抵抗測定を行います。
照明回路の2P2Eは線間200Vでも対地間100Vですから絶縁限界は
0.1MΩ以上
です。ですが正常ならば100Vメガで20MΩはあって当然
ですから限界ギリな状態は劣化末期なので調査が必要です。検査は
書類上合格させてもしばらくして地絡、漏電とトラブルが発生します。

"0.1MΩが最低基準なら何Ωならいいのだ"と口うるさく言う先輩や
上司がどうしてもいるなら1MΩ以上と返答してください。

内線規定を始めメーカーのモーターなどの絶縁判定etcで1MΩ以上を
推奨というのがとても多いので簡単に根拠文書をNETで見つけられます。
対地電圧100V回路なら0.1MΩ、対地電圧200V回路なら0.2MΩあるな
ら技術基準はいいわけですが管理する側の立場としては後がないその
状況はできれば避けたいという意味です。私の測定経験では100Vメガで
20MΩか1MΩ未満(0.5~0.1)かというケースが多くその中間値はほと
んどありません。他の会社現場状況は存知ませんのであしからず。
それとメガは対地電圧により絶縁抵抗値を定めていますが測定電圧
には規定はないので100Vメガで三相200Vを測定しても問題ありません。

職場の先輩は貴方が電験三種を持ってるなら"思うとこで測定しろ”
貴方を試してきますからトラブルでない定期点検でも実力を常に
試される覚悟を持ってください。現場経験10年もあれば電験三種
がなくてもその先輩はその現場の電気の取扱いはよくご存知です。
そういう先輩にとっては電験三種があるだけで厳しく接してきます
が逆に相手を超えてるならば"アイツはやるね”と年齢は関係なく
認めてくださるのです。

事務系出身で電験三種があると入社された方が昔いたのですが
2週間で退職された事があります。頭はいいけどペンチも持った
経験もなくネジ1個もまともに外せない手先状態でしたので無理
では?と私は思っていたのですがやはり退職されました。
それと電験三種を持たない先輩から何かと電験三種を持ってるの
だろう?と言われていたのも嫌になられたのが原因かもしれません。
資格がない人はそれがあるだけで電気はできて当たり前という
接し方をされてくるのが設備現場です。私もそれは言われました。
それと口の悪い先輩から"電験三種を持ってるのにメガの使い方
も知らないのか"と言われそうですから電気の基本測定器の使い
方は
自費で購入してでも入社前に習得しておくべきです。

人格者以外は他人への評価はマイナス評価から見る人がほとんど
なので電験三種を持ってるというなら本当にコイツはできるのか
という意識が職場の人の最初の意識です。負けてはいけません。
そこで"何もできません"、では"やっぱりね"となってしまうのです。
私と同じ様に転職に電験三種を生かすのは大変ですが私が今の
状況までなるのに3年は人間関係も含めて辛抱が必要でした。

私がこれまで経験した単独回路の漏電で最大I0値は2000mAという
のが過去1回だけありました、最初に変圧器B種接地で2000mAを
検出しますがとにかく急いで店舗確定をする必要がありました。
漏電でMCBがトリップするというのは20A(20000mA)以上も流れた
結果で電源が切れてもどこかで火を噴いてるかもしれません。
ですから月に1回は各テナント分電盤主幹でI0値測定はする様に
しています。
配線の自然劣化ではなく接続されてる機器が急に
漏電、配線の人的破損で発生するケースもあるので年1の絶縁測定
では特に飲食関係は足りないです。複合用途防火対象物の建物では
程度の違いはあれ漏電というのはそれを利用するテナントのせいで
発生します。
テナント教育をしてもバイトやいろんな電気について
無知な人が常に入れ替わり働いてるので皆無にはならないです。

迅速な調査方法が重要なのでぜひ下記事も読んでおいてくださいね。
★現場調査方法⇒低圧回路絶縁不良対応
不良箇所はある飲食店の冷蔵庫で中にはビールしかなかったので
コンセントから抜いて解決です。解決策は簡単でも場所を特定するの
が私のお仕事なのです。報告を受けてる以上は電気主任として夜中
でも対応しないと放置して冷蔵庫が出火でもしたら深刻な責任となり
ます。又こんな夜中に業者は誰も電話には出ませんから私がなんと
かするしかないのです。


主幹がMCB⇒子回路MCB回路ではELBがないので自動では切れません。
こういう場合は子回路がMCBの回路のどれかが原因です。
(30mAトリップのELBなら15~30mA漏電したら自動で切れています)
★電気主任を目指す方は一人深夜出勤もありますので知っておいてね。

店舗Fの主幹I0は通常5mA程度でそれが600mAも出てる時点で漏電
確定ですね、とりあえずすべての子回路が投入状態で一括メガで確認
絶縁不良を確認したらどの回路が不良なのか確定させ写真を撮る。
それを技術部長にLINEで送りました。後はそのフロアー担当の人が
店舗に冷蔵庫の使用禁止を言ってくれます。不良の状況を示す証拠
写真がここでは一番大切なのです。
実際はその店舗の分電盤である事
がわかる様に背景を考えて撮ります。一般の人にI0値で説明するより
絶縁抵抗がこの様に0Ωであると説明した方が状況を理解してもらえます。
機器不良では稀に一時的に絶縁が回復する場合がありメーカーが
調べた時だけ異常がないとその時の調査費用を請求される場合も
あるから★自分が測定した結果に間違いがない事を示す必要あり★

冷蔵庫をコンセントから抜いた状態でメガ不良では配線かコンセント
だから最後に初歩的な間違いをしない様に気をつけます。
コンセント不良なら即取替しますが配線だとどうしても電気を止める
事ができない場合は不良配線をMCBから抜いて仮設でVAにて配線
したらそこに別コンセントを接続、その機器の運転を継続させます。
絶縁不良回路を見つけたら店舗にとって最小の損害となる様に状況
を見て判断します。
回路を切ったままで冷蔵庫が止まり中の生食品が
ダメになったら電気主任を雇用してる会社が弁償ですからね。
基本店舗財産ですから後は店舗が電気屋を呼び本修理となります。

低圧回路において短絡はまず発生しません、電気の使い過ぎで電源
が切れるか漏電です、特に低圧回路の漏電は日常的に発生する
でこの対応ができるに様になってから電気主任に着任されてください。
電気主任は漏電とは上のレベルで完全理解しておかないといけません。
そうでないと貴方が苦労するし、お客様に多大な迷惑をかけてしまいます。

受変電継電器について最近触れてないので再度記事にしてみました。
高圧回路事故はあってはならない事故で通常発生しないので1年かけ
て覚えても構いません、各継電器の基礎項目を紹介していきます。
よりわかり易い様に解説を以前より変更しています。
最初に受電設備にある地絡継電器について紹介します。
★DGRとは?⇒方向性地絡継電器DGR(67)

以下は実際の工事を通じてのOCRの設定等の意味を記事にしました。
NO3変圧器を1000⇒2500KVA変更に当たり通過電流が倍以上となる
のでパーツ更新工事の様子です。こういう時こそ学びの時ですね。
お仕事の隙間を見て普段の疑問点などを職人に質問・相談します。
本でいくら調べてもわからない事も彼らの経験を通せば一定の答えが
いつも得られるのです。

前はこの回路の最大配給電力は1000KVAですがこれを2500KVA
にするから盤電力メーターが3000KWになるという意味です。
こういうアナログメーターは一番右に振った時に一番誤差が少なく
100Aしか使わない場所で1000Aのメーターは適さない、2500だ
から3000の電力メーターになるのです。当然電流計もレンジが上
がるわけで二次側電流を定格5Aとして一次側を自由に選択する
CTという物の変更が必要です。同じ考えで電圧を二次側110Vとし
て一次側を選択するVTがある。今回は電圧は同じですからVTの
変更は必要ありません。電力ヒューズがあるのがVTでCTは開放
できないのでヒューズはありません。


変圧器更新のためCT、現場計器類取替、OCRなど継電器設定変更
作業が変圧器の一次と二次で必要となります。変圧器二次ですから
電圧は22000Vではなく6600V、2500KVA÷√3÷6.6KVから通過電
流は約220Aです。電流計は300Aに変更ですから300/5のCTに変更
するとCT二次は3.6Aです、1.5倍値トリップ目安でOCRは5Aタップに
設定変更します。同じ電流で比較するとCT比率が大きい程OCRタップ
倍率は小さくできますが電流計の最大指示値は不要に大きくなります。

OCRには限時、瞬時など動作時間に関する設定もあるのですがこれか
ら現場を目指す方はとりあえず通過電流とCT比率の関係、動作設定
の見方だけ覚えておいてください、定格500Aの盤電流計がある場合
そこにあるCTの比率は500/5、OCRのタップが4.5Aならばその回路
は450Aで過負電流トリップするというのがOCRの基本見方です。


OCRの時間設定について簡単に説明しますとたとえば500/5のCT
の時に一次側に800A、4Aタップ選択してるならば200%だからダイ
アル=10なら4.5秒でOCRは動作するとします(製品特性表から)
ダイアルを5にすればその半分の時間でOCRは動作します。
電流値に反比例し早く動作してこれを反限時特性と言います。
保護協調を実現するために上位VCBなどと動作時間の連携をさせ
るための感度調整みたいな物です。瞬時電流は大電流が流れた
時に時間要素は無視し即動作させる設定で下の場合はCT二次側
に30Aが流れたら即時動作してVCBをトリップさせます。
(OCR表面にダイアル10の時の動作特性表が記載されてます)
デジタル式だと製品取扱い操作を勉強してないと何もできませんが
こういう昔からのタイプなら誰でも設定変更はできます。

ですがこんなOCR設定を変更する事は設備の大きな容量UP工事
などなければ必要なく施設の電気主任が一番係わるのは27の
UVR(不足電圧継電器)です。

停電27における回路はこうで停電発生でUVRが動作、緑線の様に
DC100Vの電圧の流れが発生して赤線の通り27X-R31のリレーの
a接点が動作して中央監視に停電警報を送ります。
UVR本体にタイムラグ機能はありますがこの変圧器回路だけ別に更
に2秒だけ間を設定しています。
貴方が電気主任として着任した現場回路は設計者が違うのでこれを
覚える必要はありませんが回路の読み取り方の基本は同じです。
記号については新旧のシーケンス記号の両方を私は読めます。

27X-R32リレーのa接点でDCをVCBトリップ入力にかけるとVCBが切れ
るという動作は単純な仕組みです。VCBの5番入力にDC電圧がかかると
VCBは切れますがここではOCR動作した場合もかかる様になっています。
つまりVCBを何かの条件で自動切り回路を作るならこの回路の場合では
VCBの5番にa接点経由で電圧がかかる様にすればいいだけです。
だから手動切SWもこのライン上にあるのは気がつかれたはずです。
自動VCB切り動作が不調で手動SW操作でも切れないならVCB本体が
壊れてるので業者に大至急連絡が必要です...とそういうトラブル時
に職場の仲間に説明できたら評価は確実に上がります。

ただOCR動作による過電流では27の様に自動リセットではなくて状況を
人間が確認し手動リセットしないとVCBは投入できない様になっています。
VCB投入の3番にDCをかける回路にあるb接点がその役目をします。

逆にこのb接点が故障したら正常時でもVCBは投入できません。
51Yリレーが今ないなら応急で51Yリレーの5-8番端子間をジャンパ
すればいいのはベテランの方なら気がつかれたと思います。こういう
応急程度はこれから電気主任を目指す方はできる様になりましょう。
実際、リレーの端子番号はわかり難いので線番で回路接続は確認
します。R31とR33の配線をリレーから外して2線をジャンパします。
リレーに接続された状態でジャンパしては上手くできないです。
R31とR33の配線には投入レバーさえ入操作しなければDC100Vは
かからないのは図面で確認できます。

こういう2点間をクリップさせる場合、周辺の環境には気をつけてください。
高圧配線がいる盤中に手なんか入れて作業し触れたら低圧ではないの
で死んでしまいます。上作業では外線ターミナルのとこでするならリレー
配線を外したりもなくジャンパ可能です。

UVRの時間設定ですがタイムラグがないと瞬時停電でさえ動作して
この系統はすべて停電してしまいます。つまり(6600×80)÷110=
4800V以下の電圧低下が設定秒時間継続したらUVR接点をONします。
27についてはデジタル式であっても動作電圧と動作時間の2点
しかないので動作は理解できたと思います。時々瞬時停電でなぜ27
が動作しないのか職場の人から質問されるかもしれないのでUVRに
は動作タイムラグがありその現場では何秒か程度は電気主任として
即答できる様にしておきましょう。下の27は受電用ではなく受電用
27なら通常2~3秒程度です。(UVR=27=不足電圧継電器)

継電器本体の右下隅に黄色い動作という表示がありますがこれは
ターゲット表示といい動作したかどうかを表示するだけの物でこの
表示を戻さなくても復帰動作には問題ありません。
いつもここだけは表示を残して人に教える時に目の前でリセットして
教えています。これをリセットしないと27が復帰しないと思われてる
方が時々いますが27は電圧がVTからかかると自動リセットです。

各回路のパーツ現場位置がわからないと何もできないので覚える!
27X-R3はアナンシェーターリレーといいますが簡単に言えば異常時
ブザー鳴動、警報ランプの点滅などできるように一個のユニットにまと
めたものです。事情があり外部への警報や通知機能をすべて止めたい
ならば配線端子を外さなくてもこのリレーを抜けばいいのです。
27T-R3タイマーが故障したら27X-R32リレーが動作しない、27X-R32
リレーが動作しなければVCBのトリップ入力に電圧がかからない、故障
表示も出ない、VCBも切れない、すべてダメならアナンシェーターリレー
の交換が必要です。これが受電絡みだと27が動作して発電機が起動
できても受電VCBが切れないとインターロック解除されないため発電機
VCBが投入できません。停電が発生したらわざわざトリップさせるVCB
には意味があります。

UVRの裏はこんな端子構成になっています。ただこれだけ見ても意味
がわからないでしょう。

製品マニアルを調べると内部回路図があるので見ればすぐに役目は
想像できると思います。様はP1-P2間にVTからの電圧があるかないか
でタイムラグ後に接点を入切してるだけの電気機器程度なんです。

UVR単体の接点のみを利用して中央監視PCへの停電警報、VCB切り
発電機起動を構成する事もでき故障時調査もこの方が簡単です。
たとえば発電機が自動起動しない、起動信号が来ないとするならば
b1-c1間がONになってない又はそれで動作するリレー故障のどちら
かです。中央監視に停電警報が来ないならばb2-c2間がONになって
いないのです。ただCBのトリップはOCRやDGRでも動作させないといけ
ないのでこの様なダイレクトではなくリレーのa接点経由で行う必要が
あります。どうですか、停電時の各回路動作なんて簡単に思えてきた
のではないでしょうか?

22000V受電回路にはデジタル式継電器が使用されています。
不足電圧(27)地絡過電圧(64)過電圧(59)の動作を1個で設定できる
継電器でその中の11番項目を表示させると27の動作電圧がわかります。
22000/110VのVTの二次電圧が90Vになったら動作するという事は受電
電圧が18000Vになるのはもうわかるはずです。

ただ動作するとVCBも遮断状態となりますのでそれでは瞬時停電で
動作してしまい無用な全館停電の原因になります。12番項目を表示
させ2秒というのが確認できます。つまり受電電圧が18000Vに2秒
以上低下したら内部接点がONとなります。

(以前新人さんが撮った写真dataを使用したので人影は無視してね)
ただ受電回路ですから最初に操作マニアルをよく読んで触る事です。
旧式のOCRはダイタルを回しますがこの類は5Aを100%として150%と
か%倍率で設定するので多機能で細かい設定が可能な分デジタル
継電器は操作が少し難しいです。通常はこういう設定値を確認する
のに扱う程度です。

★また変圧器更新工事の話に戻ります。
容量アップに伴いケーブルやDSも取替となりました。

変圧器一次側、2500KVAで22KVだから定格電流は2500÷√3÷22で
約66A、従い電流計は50Aから100Aに取替になりました。CTも100/5
に変更されます。CTの比率は盤にある電流計のレンジを見ればわかり
ます。この関係はモーター回路の盤電流計とCTでも同じです。

電気主任となったら1ヶ月程度は前任者がいますが貴方の能力を試すの
に盤の電流計を見せてCTの比率を質問されるかもしれません。
求人面接では必ず実務がどの程度できるのか質問されますから
"頑張ります"では他職場で電気主任をしていた経験者が採用されます。
(当然三種だけ取っても現場経験がないと電気主任にはなれない)
ですから同じく"できます"と答えないと今は雇用してもらえない時代です。
できるというのはすでに職場には伝わっていますか入社したらいろんな
事をまず試されるのです。私も初日から前任者にわざと質問されました。

いくら資格があっても聞かれた時に即答できる、必要な時に処置ができる
が評価の要で必要とされてない時に自分から語ってもウザイと思わます。
少しでも尊敬、信頼の気持ちがあちらにない相手に自分の知識の強制を
すると"馬鹿にしてるのか?"と必ず反発されます
から注意しましょう。
お金と同じで自分の実力もそれを使うタイミングがあるのです。
信頼とは何か様はその現場での貴方の仕事ぷりとどれだけ粋な人かです。


NO3変圧器のOCRは受電用OCRではありません!前は1000KVAな
ので26.2Aですから50/5のCTで2.62Aですね。3Aタップを選定
してるのは当時これを設定した人は3÷2.62で114%負荷でOCR
動作としたのがわかります。2500KVAなら65.6Aですから100/5
で3.28Aが定格、その114%ならば3.7Aですから3.5Aのタップで
この場合ならいけますね。尚、瞬時は20⇒30A変更で変圧器突入
電流は防げるはずです。瞬時は変圧器の突入励磁電流を考慮し
て最初にCTの比率により設定した過電流に対しての設定の10倍
程度で行います。

これは受電VCBを更新したケースだけど励磁突入電流は変圧器の
一次側を電路に投入する時に発生する特有な現象です。
メーカーが持ってきた特性グラフを見ると励磁突入電流を1050Aとし
てるのは変圧器の定格電流を逆算するとわかりました。
1050Aのため1秒継続するとOCR動作でトリップするけどそれの持続
時間は0.1秒のため問題なし。VCB二次側短絡容量は200.5MVAな
ので200.5MVA=1.732×22000V×IでIを求めると5262Aですがこ
れが発生すると表では0.018秒でOCRが瞬時動作しトリップして回路
保護します。VCB二次側短絡容量計算書が現場で無くしてるならば
電力会社にも同じ計算書があるので教えてもらえます。

更新工事ではメーカーの方で保護協調も考えて設定変更案を電気主任
に持ってくるので工事をするならば事前にOCR設定を勉強しておきましょう。
最終的には電気主任技術者の同意の上で新しい設定変更で運用
を開始する事になります。

★同意ですからメーカーと同じだけの責任が電気主任にも発生します★

私の保守範囲は22000V~100Vまでです。
トラブルというのはビル現場では対地電圧100Vの回路がほとんどです。
電気設備安全管理においては対地電圧で物事を考える癖をつけましょう。


変圧器一次側VCB盤のとこには工事期間中は接地をつけています。
DSやVCB投入操作は本工事においては私以外は操作禁止なので間違
えて通電する事はありませんがだからとこういう事は省略はできません。
こういうとこで取付作業をする時は腰道具などは外して行います。
もし工具などが碍子(白い部分)に落下したら破損させますから!
都合で足場などを電気室内で組む場合も足場業者には必ず注意をして
ください。ああいう人は足場を組む以外考えていません。

2500KVA変圧器は電気室には事情で入れられないので屋外設置式として
地下ケーブルで特高電気室と接続されます。
そのため建物のコア抜きが必要となりましたが1級建築士を持つ職場
上司から抜いた後の防水処置を質問されました。
モルタルを充填して防止処置をしてと説明したのだけどそれでは駄目
だと指摘を受けてしまいました。
施工業者の責任者を呼んで詳しく説明してもらいましたが建築関係に
なると私も専門ではないので困ります。
でもそういう1個を経験する事で私の無知も1個減るわけでこういう
工事はいろんな意味で勉強になる事が多いのです。

実際こんな感じで設置されましたが屋外にあるわけですから台風
雪にさらされても平気なのですね。夏場では思ってたより温度も上
がらず60~65℃程度でした。

しばらくNO1とNO2の特高変圧器は休止にするので変圧器一次側DS
開放及び下の様に二次側DS開放、VCB引き出しは私が行いました。
この大きさの変圧器だと無負荷であっても2台で待機電力が年間に
50万円はかかるとのメーカーからの返答があり休止となりました。
注意すべき事はいろいろありますが入切の操作だけなら中学生でも
できるのでされた事がないビギナー電気主任の方は停電作業の時
に業者の方に必ず習っておいてください。本を1000回読んでもダメ
操作はできる人に見本を見せてもらい手で覚えるしかありません。

VCBの引き出しも簡単だけどこれは6600Vがかかってるわけで操作
手順より操作の注意点があります。できる方に実際に実技で習う
以外に覚える方法はありません、特にインターロック式でないDSと
VCBの組合わせはVCBを切らないでDSを抜くと死んでしまいますよ。
だから未経験の方は高圧機器は人から習う事が大切なんです。
操作方法は誰でもできる、ただ操作上の注意点が一番大切です。

ありえないけど2500KVAの回路でトラブルが発生したら旧回路に切換
するつもりです。今の時代停電はまずない、短絡や過電流もまずない
一番可能性としてありえるのは屋外型である以上高圧地絡というのか
なとか個人的には考えています。だから急にそうなっても一人でもでき
る様に時々は頭の中でシュミレーションはします。原因調査の前に先に
電気を生かしテナントの営業活動を復旧させるのが最優先です。
下は3台運転時で今は52R1と52R2のVCBは切り状態です。

NO1とNO2変圧器の一次側のDSはLBSの様に3極同時投入される物な
らいいけど1極づつ投入するDSで、DSは電圧があっても電流さえ0なら
入切は可能
ですが投入した時に即電流が流れてしまう状況は好ましく
ない、この場合では受電152Rを先に切り停電させてNO1とNO2変圧器
一次側のDSを投入して152Rを再投入します。休止してたので15分程
試充電で様子を見て異常なければ二次側を順次投入していきます。
この回路を設計した人はNO1.NO2変圧器は常時投入状態でNO3変圧器
だけ負荷が少ない場合に受電状態で投入・遮断をするために一次側に
VCBを設置されたと私は理解しています。

電気工事作業をしてもらう時は作業前に職人に高圧検電器で当てながら
受電部とそうでない部分は見たらわかるじゃなく説明をしておきます。

ただ事故に絶対の安全はないですから私が勤務する会社では高圧盤に
触れる場合はこれを腕につけるのがルールにしています。
これは30cm程度に高い電圧が接近するとアラームで教えてくれます。
VCB操作、引き出し、DSやLBS開放作業をする時は私も着用しますの
で作業する業者さんにも貸し出ししてお願いをします。

もし事故が発生した場合に電気主任としてどういう対応をしたのかが
問題となるので人を使う時は自分が行うつもりで安全については意識
が必要となります。電気主任技術者の職務は電気設備の保安監督
である事を忘れてはいけません。後何の作業をいつしていつ終了した
のか時間も忘れずに記録します。

こういう全体で数千万円の電気工事では業者側に電気工事施工管理
技士がいて
その人と電気主任技術者は工事中のやり取りを行います。
当然そういう方がいる場合は工事工程表から緻密に計画されています。
その中で電気主任技術者様操作とか電気主任技術者様ご指示なる
項目があるのでその点については事前に確認・準備をしておきます。
どんなに凄い電気の達人でもいきなり他の現場に来て何もかもわかる
わけではなくて工程表を作る段階で何度も状況の質問を業者側の電気
工事施工管理技士からされました。それはそうだと思います。

作業前に施工管理技士が中心となりKYやTBMは当然されますがそれは
それとして電気主任技術者として伝えるべき指示は重複しても構わないの
で行います。業者が勝手に打ち合わせをし工事がいつのまにか始まりそろ
そろ様子を見にいこうか!そんな電気主任技術者なんていらないです。

たとえば停電させる時に私がVCB操作やDSを抜いたりする時はその業者
の施工管理技士も私の後で見ていて"○○系統VCB開放ヨシ"とか大きな声
で二人で指差し確認をしています。もともな会社では作業のアクション事に
指差し声だし確認は当たり前で黙って一人でSWを入れたり切ったりするの
は安全意識を疑われます。
貴方が電気主任として現場に入った時はこれは
必ず行ってください。見たらわかるじゃないか!は事故や失敗が発生したら
通らない時代です。年間の届出の電気事故数が1万件を超えてる現実は
そういう安全意識の欠落が原因だと思います。

多くの企業では私が過去記事で紹介したこうした活動はされています。
私が勤務する会社でも毎朝KYT活動をしています。(会社命令)
⇒安全活動

電気主任技術者の義務は電気設備保安規定を遵守する事です。
現場で働いてない方は噂には聞いた事はあるけど漠然とそういう物
である位しか知らないと思います。もし電気主任として着任できたら
私が今回記事にした部分と同様な項目程度は暗記しておくべきです。

★電気保安規定は電気事業法を基本にしながらも運営については所有
者が作成された物で現場により内容は異なります。
電気主任技術者の職務は工事、維持、運用の保安監督と定義されま
すが、権限がある保安総括管理者ではありません。それはオーナー側
の社長であるべきですが社長はできないので代理として権限のある誰
かがなっています。ここでは第5条から担当部長(技術部長)がそれに
当たり電気主任をする上での上司は職場の上司ではなく技術部長とな
ります。そのため部長は電気主任の意見を尊重して、電気主任も部長
を補佐して保安業務を遂行する義務があります。第6条~第7条
(保安総括管理者が誰なのかは各現場の都合により異なります)
これらを円滑にするため私はオーナー会社へ出向社員となっています。

日常業務のすべき事まで部長許可はいりませんが会社にとって重要
な案件は電気主任の独断で顧客等に意見したりせず技術部長に報告
して指示を待つか、部長から直接相手に説明してもらいます。オーナー
と管理会社が完全に下請けの関係である場合、この辺が曖昧となり何
でも電気主任に責任の丸投げをしてる状況があると思います。やたら
”電気主任の責任”と口癖で言う人が一番何もわかってない!こういう
場合は自分の勤務する会社の責任者も交えて保安規定の内容につい
てオーナーと中身の確認を一度はしておくのが最善です。

実際工事に関しては金額により課長決済、部長決済となり相当に大き
な金額の場合のみ社長の承認が必要になります。社長は雑用係では
ありません。工事をする場合は業者に丸投げではなく電気主任は保安
監督をして完了した後はきちんとCHECKが必要です。

保守管理については15条で記載された内容について最低限、電気
主任技術者は点検して記録を残さないといけません。(日点検、月
点検、年点検に分類され記録は3年間保存)
ただ各点検項目は項目名があるのみで中身まではなくこの辺の書式
は技術基準に従う内容で着任した電気主任が自由に作成しても構い
ません。もちろん負荷設備が多様化する現在では保安規定とは別に
自分で研究してより効果的な点検方法もしていくべきです


前任者は一般動力2は多いけど大丈夫と言葉だけで去っていきました
がこれを理由に会社でI0rクランプメーターを購入してもらい再度
測定したら実際はI0rでは20mA未満となったのです。必ず前任者の
ままを継承する必要はありません。グレードアップは問題ないです。

テナントの分電盤主幹でのI0測定は保安規定にありませんが私の
考えで追加した物です。測定時はテナントの誰かに立会いしてもらい
測定値を相手にも確認してもらいサインか印をもらう様にしています。
つまり後で漏電に関する異状が発生した時に点検はした。という証拠
になります。何かあれば直近の点検をいつしたかが問題となります。

これは休止中だったN03変圧器を耐圧試験合格後に稼動させた後に
自分なりにCHECH比較表を作成した物だけど必要な点検シートは自分
で考えてつくればいいです。何かあった時に何もしてないというのが
管理用まずいのです。多少間違いがあってもする事をしてればそれ
以上は何も言われません。保安規定にはこういうとこまでないですが
記載がないからしなくても問題はない、つまり保安規定に記載ある事
だけしてれば円滑な業務ができるわけではありません。

この現場に着任した時に停電作業のマニアルがあまりにわかり難いの
で私がエクセルで作成した物です。私はわかっていても業者さんにも渡
すから誰が見てもわかる物の方がいいに決まっています。現在その他
電気に関する点検シートはすべて前任者が使用していた書式は1枚も
ありません。

16条では業者にさせるにしても、自ら修理するにしても電気主任が
リーダーシップを取り解決まで責任をもって
しないといけません。
必要に応じては改造も容認してますがこれを行う場合は技術的な
検証をして実施するかの判断ができるのは電気主任技術者しか
いません。私が故障時に回路を触ったり応急処置をする事はこの
条文により適切な行為となります。又この保安規定では業者任せと
いうのは一切容認していません。

これは故障ではないのですが業者とある改善に関して私が相手に
ここはこうすればいけるんじゃないですか?と走り書き説明した時
のです。もちろん間違いがある事もありますがそれも勉強です。
電気主任は改善、改造について積極的になっていいんです。

17条ではトラブルが発生した場合は調査、対応、再発防止処置を
する義務があり
"業者に連絡したから後は関係ない"は私が勤務
する現場では許されません。もちろん重大故障では私の判断で即
時業者連絡もしますがトラブルはのんびり放置できない事が多い
ので事態のある程度の収拾をし、再発防止処置をする事が電気
主任に委ねられているのです。

20条にある災害の発生により危険と認められるなら送電を停止で
きるという電気主任の権限ですが間違いなく大部分の無関係な顧
客から後で一旦は激しく非難&責められるでしょう。
生命の危険がある、出火してる状況ではきっと私もそうしますが
それ以外では最初に説明した保安総括管理者に連絡して指示を
待つべきです。会社とは組織で動いてるので対テナントに対しては
電気主任が直接制限を与える言動や指示はすべきではありません。
保安規定を定めた当時とはたいてい社長も代わり運営体制や経営
理念も違うので保安規定に記載があるからと何でも独断で行うのは
組織の一部ではないです、組織の一部となる対価としてお給料を
頂いているのです。この辺は場の空気が読める大人の対応が必要
です。


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