絶縁抵抗測定結果報告

丸山さん、どうして1回路でも絶縁抵抗不良があると主幹でも測定値が悪く
なるのですか
と23才の後輩に質問されました。
たとえばこれはある小さなお店が入居するために電気工事をして済んだ時
の絶縁抵抗測定の結果です。(業者測定)
500Vメガで測定してるのは100MΩという値表示でわかります。
この時点で絶縁抵抗が不合格ならコンセントや配線工事に不良があると
いう事でテナント入居の電気工事完了の確認には必要な作業です。
(機器名記載はあるけど機器を接続して500Vメガは使用してない)

この14回路の場合でもし1回路だけ0.1MΩであった場合に分電盤主幹
では何MΩの絶縁抵抗値となるか
計算してみましょう。
(主幹のみ切り、子MCBはすべて入れたままという条件)
すべて100MΩとあるのは100MΩ以上という意味で実際どこまで高いか
使用した500Vメガでは測定できないという事、だからと1000Vメガで
低圧回路を絶縁抵抗測定するわけにはいきません!
絶縁抵抗測定はその高い値をどうしても測定する必要はなく法定基準
を満たしているか調べるための試験です。


とにかくその正常時の絶縁抵抗をRMΩとしてそれが13回路と0.1MΩとの
並列回路という意味
となります。
13回路の並列合成抵抗はR/13MΩだからそれと0.1MΩの並列抵抗ですね。
最後に分母、分子を変数Rで割り、Rを1箇所だけにします。結果Aの式となり
分子が0.1で分母に1がある時点でRの値に関係なく0.1を超えれません。
(Rは正常状態だからR=0という値や現実としてマイナス値はありません)
1回路でも0.1MΩがあるなら主幹でも0.1MΩの絶縁抵抗値となります。
(電気工事士の試験勉強をした方で中2の数学力があるなら解けるはず)

では100回路で99回路がRMΩとして1回路が0.1MΩであった場合は分電盤
主幹の絶縁抵抗値を上と同じで計算するとこんな式となります。
(分母は常に10以上ですから0.1MΩを超える事はありません)
この様に1回路でも0.1MΩなる値があると主幹測定の段階でわかります。
絶縁抵抗測定で最初に主幹一括測定を私がするのはそれが理由です。
(その分電盤に異常があるかないかを最初に調べる事で判断ミスを防止)

正常回路ならば100Vメガで20MΩは1回路事に絶縁抵抗値はあります
最初の使い始めは必ずそうであったはずでたとえ0.5MΩと基準値を満たして
いてもそこまで値が下がるというのは何か不具合があると考えるべきです。
法的には確かに対地電圧100Vのコンセント回路なら0.5MΩでもいいんだけど
私はこういう値は気になります。

天井にある照明回路は固定設備なのでまず異常なくたいていコンセント回路で
こんな状況が発生します。
この場合は接続されてる機器をすべて外してから測定してみますがこれで100V
メガで20MΩに値が回復するケースが多いです。(機器プラグは機器に含む)
そうコンセントに接続した機器が原因、それかそのコンセントに異常がないか
カバーを外し本体を壁から抜いて確認してみましょう?焦げとかありませんか?
こういう↓状況でも意外と0.1MΩ以上あるケースもあり値だけで油断できない。
薄皮1枚で絶縁状態でも空間的に導体に触れてなければメガではそうなります。
だから開けて中を目視で確認する以外に方法はありません。即交換ですね。

上写真は機器不良で何度もMCBが飛ぶのに店の人が無理に入れてしばらく使用
⇒トリップ⇒MCB投入を繰り返し結果、コンセント内部配線が焼損したのです。
後床配線を重い台車で踏んで電線に損傷を与えていたり、これらはどれも原因
があるから急に値が激減します。★そうこれは人災です★
薄皮1枚で絶縁が0.1MΩあるから変圧器でもまだ低圧地絡は出ませんがいきなり
それが500mAとかで低圧地絡が近日発生するパターンです。
トラッキングでなくても負荷電流が流れてる状態でSWで切らずに配線をコンセント
から引っ張って抜いたりを日常的にしていたら下写真の様になります。
バイトの若い子や食材搬入業者、やる気のない深夜清掃業者などが無頓着で
雑な扱いを誰かがするせい
で完全には防げません。

絶縁抵抗測定は機器を接続したまま対地間にて測定を行いますが線間
メガは・電線相互間、屋内配線の負荷は取り外し行う必要があります。
ただ線間メガは漏電調査目的よりシステム異常を調べると言え接続
されてる機器をすべてのテナントで外すのは時間的にも不可能です。
停電時に真っ暗な部屋で行う作業ですから物損も懸念されるので通常
される現場は少ないと思います。私も線間メガはしません。

絶縁抵抗値は絶縁体温度や吸湿状態に反比例しますができれば雨降
でない日に行うのが最善と判断します。
(屋外配線につながる配線では電線表面の抵抗が下がるので激減)
報告書には測定日天候、できれば温度と湿度まで記載したら完璧です。
絶縁体の表面に埃などが付着していると絶縁抵抗は小さくなりますが
老朽化してる設備で自然に絶縁抵抗値が少しづつ低下する原因です。
電線清掃と言ってもEPS内が限度で天井裏までは不可能!
静電容量の大きな電路の測定では、充電電流が大きく測定開始時は
十分に時間をかけて指示が安定したときの値を読む様にしましょう。

対地電圧100V回路で0.1MΩ以上あってもあくまで人間が感電するか
を調べてるだけで内部劣化破損状態を保障する物ではありません。

前年測定値と比較して100Vメガで20MΩが0.2MΩと1/100まで低下して
るならば基準値を満たしていても調査をすべきです。
前値と比較して何%下がったらまで法では定めていませんからこの辺は
現場を管理する電気主任の経験と判断しかありません。

某メーカーの場合モーターは出荷時は100MΩ以上、保守等では1MΩ以上
ただ普通に正常な場合はモーターでもコンセント回路でも100Vメガで20MΩは
通常あるはずです。モーターなら水中ポンプ以外は100MΩはあるでしょう。
★モーター更新は通常15年~20年★この範囲内で適正に取替してる現場
では絶縁抵抗を含めたモーターのトラブルは皆無と言っていいと思います。
停電作業の結果で業者は製本するのでまだ先ですが私が測定したモーター
やテナント分電盤の絶縁抵抗測定結果はすぐに会社に提出していました。
(前任者の報告書式は廃棄して私オリジナルで作成)

提出した報告書は主査、課長、部長、取締役まで検印して戻ってきます。
(前に部長が保安協会OBに私の報告書を見せたらしいけど点検方法に
ついては指摘はなかったので今後もこの方法で行います)
この確認印をもらって報告を会社に対して完了した事となりますが部長より
赤字で指示が出てるので責任を持ってテナントの絶縁不良箇所を面倒みな
いといけません。
職場の先輩の中にはあれはテナント財産だから調べるだけでいいという人
もいますがテナントサービスという意識があれば契約上はそうでもできるだけ
サポートしなさいというのが部長の考えで私も賛成です。

停電作業では受変電設備は業者が点検しますが低圧部分は通常選任
の電気主任技術者が行う義務があります。
それはその会社の電気保安規定に定められているので普段オリジナル
な高度な点検方法や設備があろうが下の様に年に1回は直接低圧回路
の絶縁抵抗測定を実施して書類状態で管理しておかないといけません。
イザ何かあれば過去の点検結果を重点的に知らべられるのです。

接地抵抗なんてどうやって測定するのかと思われたかもしれないけど
こうやって測定します。(結構マニアックな測定器だけど定価3万円位)
その現場の保安規定に負荷側まで接地抵抗に触れてなければ行う
必要はありません。
私がこの現場に着任した時は接地抵抗を負荷側で行うのは無理という
事で前任者はされてはいませんでしたがこの方法なら補助極を取るの
が難しいからできないの問題は解決できます。

会社で電気主任技術者業務を十分に行うならばI0rクランプメーター
絶縁抵抗計、テスター、検電器、2点で測定できる接地抵抗計の以上
の5点は必要だと思います。後できれば非接触式温度計も!
着任した現場でなければ会社によく説明して買ってもらいましょう。
どんなに知識があろうが電験資格があろうが電気管理をする上での
必要な測定器が欠けては満足な電気管理は絶対にできはしません。
(精度の悪いクランプメーターとメガだけでは100%無理です)
特にI0rクランプメーターとかは10万円近くするので理由も記載が
必要でした。なぜ今までなくて良かったのに今更それが必要なのか
会社と言うのは金額の問題ではなくその理由が必要なのです。

私は当時こう書いて買ってもらいました。参考までに!
1.で購入してほしい測定器の名称・型番,2で購入金額だけど別紙
として2社以上の社印のある見積が必要になると思います。
見積は今の会社と取引のある電材会社に2社分を作ってもらいました。
(NETでも見積を発行してくれるなら可能ですが通常NET購入は無理)
問題は3の理由だけど思うとか想定的な文面は禁止、すべてにおいて言
い切らないといけません。

"自分がわかってないのに買っても使えるのか"と言われたら返す言葉
もないですからね。買う測定器の事は勉強しておかないといけません。

貴方がどこかのビル等に電気主任技術者として着任したなら最初に確認
するのは電気保安規定とそうした測定器がそろっているか?壊れてないか?
途中で1回でも校正しているか?などの確認を最初にすべきと思います。
使うだけでどの測定器も10年以上経過してる様な状況ならすべて新品
購入が理想だけど、無理ならせめて早急に校正に出すべきです。
環境測定機器_粉塵計の様な校正への法的規制はないのでビル管理
現場では電気測定器まで校正に出してないケースが多いと思います。
ただ1回も校正もなしで長期間使用してる測定器は誤差があるはずでこれ
ではまともな測定と事故時調査ができません!

尚、校正対象は絶縁抵抗計、クランプメーター、テスターの事です。
(急な費用が発生するわけでオーナーに説明、承諾が必ず必要)
絶縁測定やI0で異常なしのはずが感電した?調べたら一度も校正に出し
てなく結果論としてその時に現場管理する電気主任の資質が問われます。
絶縁抵抗計は0と∞が機能すれば正常と判断するのは大雑把過ぎます。
私が勤務する会社では電気測定器は3年に1回校正に出されています。
★まともな測定機材なくして電気主任技術者業務なんてできません★


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