HOW TO 絶縁抵抗計の使い方2

初めての方は前回⇒絶縁抵抗計の使い方1
を先に読んでからにされてください。
前回家庭で絶縁抵抗を測定するポイントを述べましたが今回は実際の
ビルや工場など現場での絶縁抵抗測定を紹介します。

単相三線式回路において絶縁抵抗計の接地リードを接地ターミナルに接続
してその接地が効いているか相に当てて電圧で確認してみましょう。

これはテナント盤に電気を送る各階EPS内のMCBで、こういう場所で測定する
絶縁抵抗測定を幹線メガといいます。
テナント盤主幹を切り、ここからそのテナント主幹までの低圧CVTケーブルの
絶縁抵抗を測定
します。(500Vメガで測定)
幹線メガはケーブル単体での絶縁判定なので無負荷状態で測定を行います。


単相三線式回路からの単相200Vは対地間電圧は100Vでありますが
アースターミナルですからあって当然ですよね。
この盤は共用部で十分に広いのですがテナント盤はこんなに広くなく接地
ターミナルがない場合でそれ以外の接地が効くと思われる何かを選択した
場合はどうか?同じ様にそこでも対地間電圧100Vをを測定できればその
接地の取り方は有効と判断できます。

小さな店舗では家庭の分電盤と大差ない物を使用してるケースがありますが
こうした接地ターミナルがない分電盤もあるのです。
クリップした点と任意の金属部での導通で確認する方法は完璧ではないと
思っています。

もちろん全停電でこんな確認の方法はできませんが停電日では完全に館内
が真っ暗なのでライトで照らしながらの作業となり回路の入れ忘れという
ヤバイ失敗への懸念
が停電日の作業ではあるのです。
以前は設備の仲間と手分けして作業していたのですが何回注意してもその
間違いをされる人がいるので私は全館停電日には絶縁抵抗測定はしません。
つまり何日かに分けて平日早朝に少しづつ行うという方法です。
ですから上でいう確認方法はできます。
何度もテナントからお叱りを受ける事態となり技術部長から私だけでその
作業をしてほしいという命令を受けたのです。

この100Vメガで絶縁抵抗測定するとこの様に20MΩ以上に必ずなります。
測定器では∞を示していますがこれは100Vメガですから20MΩ以上と読む
のは前回説明した通りです。
実際はケーブルなので500Vメガで測定しますが100Vメガとの違いは500V
メガは100MΩまで測定できるのです。
ですから測定結果としては100MΩ以上と記載しますが★二次側テナント盤
を切り忘れて測定すると極端に低い値となる★のですぐわかります。
テナント盤には500VはかけないとしてるのでEPSで幹線メガを行う場合は
十分な注意と確認をしてから行います。

次は動力盤で絶縁抵抗測定をしてみましょう
電気に詳しくない方を見てるとこんな扉などにアースをつける方が多い
ので電気を知る貴方だけは止めてください。
写真には映ってませんが扉には機械の操作用基盤回路があり無用な
故障を誘発させたくないのです。
絶縁測定の電圧は必要な範囲内で最短距離でかかる様に接続すべき
だと思います。

尚こういう基盤制御の盤はモーターのみ絶縁測定を行いますがその他
回路については下部の制御電源のとこでI0測定で絶縁判定します。
実際★絶縁抵抗計だけでは建物すべての設備の絶縁管理をするのは
絶対に無理です★

少し探せば一番下にアースターミナルが確認できるのでここからアースを
取ればいいのです。

接地が効いているか確認するのに対地間電圧を確認したいのですがMCB二次側
かマグネットの一次側に赤リードを当てて電圧を測定します。

同じ線間電圧200Vでも単相三線式回路からの200Vは対地間電圧は100Vですが
三相200Vの場合は対地間電圧は200Vとなるのは前回説明した通りです。

ではこの動力回路の絶縁測定を行います。
これが絶縁測定の100点の方法ですから確認されてください。

必ず電源MCBを切った上で絶縁抵抗測定は行います。
あれこんなクリップで短絡なんかしない?という方は意外と多いと思います
が上にもある様に絶縁測定は電路を短絡してから測定するのです。
R相のみに電圧をかけた時にモーター内部で絶縁不良が発生していた場合
本来対地間のみにかかるメガの電圧が機器本体にかかり絶縁を更に悪化
させるのを防止させるためです。
全相同時に電圧をかけたら各相の電位差はなくなるので電気的被害はない
という理屈です。(特に500Vメガで測定する場合)

ただ動力盤負荷であるモーターは考えて取付された物で指定通りの運用
さえきちんとしてれば絶縁劣化に至る事はないレベルです。
ですからこんな電路短絡をしなくても絶縁測定は何なくできてしまいます。
絶縁抵抗不良というのはテナントが使用するコンセント回路でのみ
発生して
固定した負荷しか接続されない動力盤では容易に発生
する事はまずありません。

むしろモーターに電気を配給するマグネットの接点が劣化して停止状態
からの単相起動をしてしまい大電流が流れる事でコイルが焼損し絶縁
劣化に至るという現象を懸念します。
絶縁測定さえしてれば良いではなくて10~15年に1回はマグネットを
取替する作業を忘れすに行うのが大切です。
その他水中ポンプの長時間空運転、30KWもあるモーターの頻繁な起動
など経年劣化より運用の方法が悪くて動力回路での絶縁劣化は発生
する
可能性の方が高いと思います。★電気主任の経験不足ですね★

ただ使用する電圧レンジが線間電圧相当でない場合、つまり500Vメガ
で絶縁抵抗測定をするならば電路短絡をした方が万全です。
いえNETで公に記事を公開してる立場としては絶縁抵抗測定では電路
を必ず短絡の上で測定してください。と申し上げておきます。
ですから標準仕様の電灯分電盤の回路で絶縁測定を実施をする場合
もこれが正規手順となります。


絶縁抵抗をするにしても分電盤がまったくわからないのでは困ります。
私が管理してるビルの分電盤の場合で説明を行いました。
二種類のMCBについて、2P2Eが200V照明用で2P1Eが100Vコンセント用
2P1EのMCBは接続について極性ありLが100V、Nがマイナス側です。
2P2Eからの電流の流れは200V_MCB⇒リモコンリレー⇒照明器具という
のが200Vの流れです。
ちなみにリモコンリレーを開けるとこうなっています。

リモコンリレー(RC)には各個別のアドレスがあり中央監視PCより点灯させ
たいRCのアドレスを指定するのです。
そのアドレスを受けてリモコンリレーをON/OFF制御するのがTUですね。
こういうのを★フル2線方式又は多重伝送方式といい★RCをアドレス指定する
事で2本の制御線のみですべての照明用RCの制御が可能となるのです。
ほとんどのビルで照明点灯の流れはこういう感じだと思います。

ところで★照明回路の絶縁抵抗測定はどこで行うのか?
RCが切れているのにMCB二次側で測定するという事は現場の照明器具
を含まない事になります。RCの負荷送りのとこで絶縁測定をします。
どうしてもMCBのとこで絶縁測定をするというならRCを手動でON状態に
してから行わないといけません。
意外とそれを知らないでRCのある照明回路を単にMCBのとこで絶縁測定
されてる方はいらっしゃると思います。貴方は気をつけてね!

1個のTUが4個のリモコンリレー(RC)の制御を担当しています。
急に照明が点灯しない故障では最初にRCがONになってるか確認します。
動作しないなら通常RCを取替すれば直りますがこの程度は私もします!
RCを良く見ると表面にONという状態表示がありますが、実はこれを
手の爪でON/OFFさせても動作させる事ができるのです。
この方法はRC故障時にとりあえず照明を点灯させる応急対応ともなります。
尚、RCは手動又は信号を受けた時しか反転状態とならないのでそれ以外
ではたとえ停電しても状態を保持し続けます。

これがフル2線照明方式の親機で中央監視PCを通じて登録した時間
にビル内の各所照明の点灯・消灯を自動制御しています。
中央監PCからの手動点灯・消灯信号でさえまったくRCが動作しない
ならば現場のRCかTUの故障です。
それが可能で設定時間になっても照明が自動で点灯、消灯できない
トラブルではこの親機に問題があります。
至急照明メーカーに修理依頼が必要です(寿命10年程度)
もちろんこんな精密機器を間違えても絶縁測定してはいけません
から絶縁はこの電源のI0値で判定すべきです。(1mA未満の事)


製品説明書に修理、分解、改造をしてはいけないと記載がある物
はいくら電気が詳しかろうが触ってはいけません。

通常、家電も含めて単一の完成した製品とはこういう物でそれらは
電気主任技術者の担当範囲外となります。
時々テナントが会社の家電などの調子が悪いからと持ってこられる
ケースがあるのですが丁重にお断りすべきです。
ぜいぜい★漏電してるかを調べてあげる程度しかしてはなりません★


★家電の漏電検査をするならば★
これは時々電気主任技術者として行いますので覚えておきましょう。
下は電子レンジですがこれで検査をするならばこうですね!
なぜプラグの2極間を短絡してるか私のこれまでの記事を読まれた
方はすでにわかっておられると思います。
100Vレンジで行う、プラグ間にDC100Vをかけない点だけは注意!

"ビリと金属部に触れたらした"というテナントさんの申し出に対して
行う点検ですが私の経験上、正常なら20MΩ、不良なら0Ωと良いか
悪いかのどちらかです。
簡易的に行うならば電源を生かした状態で検電器が点灯するか?
でも見れますが確実に使用できない事を調べるならば絶縁抵抗で
判定するのが一番確実です。
不良ならお客さんはたぶん購入するわけですから実は違っていた
なんて言われたら"使用不能"と伝えた根拠を問われるからです。


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