電気主任技術者 高圧受電需要家 停電手順

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父の友人の方が電気主任をされる契約電力1000KWの高圧受電ビル
の停電作業を勉強のため見学させて頂いた事があります。

作業は夜中で設備の人しかビル内にはいないので自由に見学許可
を頂き12月の冬夜中にそのビルにお邪魔したのです。
部外者が他社の作業を見学する機会は通常ないので貴重な経験
で許可してくださいった支店長様には深くこの場でも感謝致します。
たぶん多くの方がこの高圧受電現場で電気主任をされると思うので
この経験をわずかでもそんな方にお分けしたいと思い記事にします。
ただその現場の高圧機器構成はもうはっきり覚えていないので下は
説明上、私が準備した受電スケルトンです。

今は私もわかりますがこういう作業をする場合は事前に各テナントの
許可を得て全社が停電可能な日に停電作業を行います。
携帯電話会社、警備会社への停電日の事前報告も必ず忘れてはい
けませんし、発電機は手動モードにして停電して回らない処置もします。
仮設照明、リレー試験電源のため移動式発電機を用意されてました。
非常照明は電気室のあるB1階を残しすべてのMCBは切りでした。
(全館非常照明を点灯させたらDC100Vの蓄電池を放電し過ぎて受電
設備の復電操作ができなくなります、これは重要★)

①のラインを切るに当たり銀行、保険会社などはJUSTで電気の切り
をしないといけないのでそれに絡む変圧器LBSは受電停電前に1分
の違いもなく先に個別切りとします。
独自の自社システムのあるテナントでは停電時間は厳密なんです。
(送電を止めてもらう作業は人が行うので1分の差もなくは無理)
だからそういうテナントへの停電時間通知は全館停電時間より早い
時間とし、実際でもそう済ませておかないといけません。
そこでは受電停電の20分前までにはその作業を完了されていました。

①ですべてのテナントの停電が完了したら今度は②各VCBを遮断!
通常どこの現場でもこの時点で非常照明と仮設発電機による臨時
照明のみで電気室は点灯しています。(高圧受電現場では電気室
は1部屋しか通常ないです)次に③の受電VCBを切りますがこの時
点でビル送電停止の10~15分前でそこの電気主任さんが業者が
外のモールドディスコン(MDS)を24時に切ってくれると言われてい
ました。ただ停電作業における停電要求書は事前に電気主任
が電力会社に提出
しておかないといけません。(停電日の1
ヶ月前までには)

送電停止10分前に携帯電話で"今、現地に到着しました。現在受電
の方はどうなっていますか?”(業者)の確認連絡あり。
"現在受電VCBは切りの状態で負荷電流は0の状態です。"(電主)
"それでは送電停止作業を開始します"(業者)
そう屋外送電停止作業までには受電VCBは切り館内は0Aにして
相手の作業を待つ状態でないといけません。

"今送電を停止しました"(業者)、"こちらでも確認しました"(電主)
受電電圧計を見ていたら6600Vが0Vになるので確認できます。
"では復電予定時刻、朝5時の10分前にまた連絡します"(業者)
こんな感じのやり取りをされていました。

検電後に受電DS部分の④開放と接地をされ安全上の操作手順は
受電電圧に関係なくどこでも同じです。
(電圧計で0Vを確認しても実際に高圧検電器で必ず確認してから)
ただ高圧受電現場では電力会社監視センターとのやり取りや直通
電話は特高現場の様にありません。
特高現場では停電、復電にあたり受電VCBと責任分解点DS操作や
甲種接地の取付、外しは電力会社の指示に従い行うルールになっ
ています。(当日の操作票が電力会社から送られてきます)
高圧受電現場ではその辺の操作は現場にすべて一任されます。
とにかく★ここからが業者の点検作業の開始となります★
電気主任+設備の人達はテナントの絶縁測定や停電しかできない
その現場特有のお仕事を夜中にされるわけでけして暇はないです。

朝の4:00にはすべての受変電設備点検作業を業者が終了したの
で電気主任の方がDSやLBSは投入されてるかVCBは引き出しの
ままでないかなどを目視で確認されていました。
受電DSは当然切りの状態で受電VCB~すべてのVCBをすべて手動
で投入されてDSの二次側でメガを測定されていました。
もし工具などを充電部に置き忘れなどあるといけませんし高圧を受電
する前のこの方なりの安全確認の方法です。

確認で問題がなければすべてのVCBを手動切りにされていました。

朝5時復電でしたが4:45に発電機を自動にして27で発電機が起動
するか確認されていました。
確かににこういう時でないと実際に停電で発電機が自動起動するか
確認ができません!(毎月は単体で起動するかの試運転のみ)
4:50に業者から電話がかかりこれから送電するので受電VCBは
切りの状態か★接地は外したか★
の確認の連絡が入りました。
(受電のDSや変圧器上のLBSはこの段階ですべて投入状態
発電機は稼動してますが受電VCBは切りなので逆送電はないです)
受電52Rと発電機52Gは同時投入できない様にインターロックあり
VCBはすべて手動にしておかないと自働位置では27が復帰したら
人のやり取りのタイミングに関係なくいきなり投入されてしまいます。

屋外にあるMDSを業者が投入すると電気室の受電メーターが6600Vを
示しその30秒後には発電機は自動停止をしていました。
そう停電から復電時に自動で発電機が停止するかの確認と受電作業
をここの電気主任の方は同時にされていたのです。
後は受電VCB⇒各VCB⇒低圧盤のMCBやELBと投入していきます。
変圧器に充電されるとそれまでの無音な状態からブーンと特有の音が
響き渡るのを当時の電気保守経験の浅い私でも感じました。

電気を止める時は負荷側から生かす時は電源側からがルール
はご承知かと思いますが特に復電では変圧器を充電した時に突入
電流という大きな電流が一次側にガチな短時間のみ流れるのです。
(変圧器突入電流は変圧器二次側が無負荷でも発生します)
だから復電では各変圧器に給電するVCBは順番に1個づつ充電
をするのです。(OCRを不要動作させないため)
全二次VCBを投入状態で受電VCBでいきなり館内全復電はダメ!

配電盤送りまで電気を生かしたら電圧計にて変圧器電圧確認
ビル内の空調機や照明などとにかく営業状態と同じにして館内に
異常がないかそこの電気主任の方は巡回をされていました..更に
電気主任だけは作業が終了したからと朝6時で退社はできません
最低朝10時まではビル内で待機してテナントの営業においてトラブル
報告がないのを確認してから夜中24時からの停電作業は終わりです。
(通常はそのまま日勤業務開始で夕方まで帰れないそうです)

お話によるとLAN関係など弱電関係のトラブルが多いそうです。
又機器内蔵のバッテリーが放電してしまいエラーなどの発生です。
あくまでビル側の停電をきっかけと発生してるので場合によっては
そのメーカーと連絡してオーナー負担での取替手配などとにかく
使える又は修理のメドをつけるまでは退社はできません。
トラブルが発生したテナント責任者に謝罪の言葉の一つも必要。

そのたった一つの言葉があるかないかで事態は大きくも小さくもなり
大人としての気配りもできないといけません!
電気主任の対応の悪さがあれば即オーナーにクレームが行きます
し、★オーナーが優先するのは家賃を払ってるテナントの言い分★
ただ"お客さんも人の子だからまじめに一生懸命に対応すれば誰も
それ以上は怒らないけど適当な対応をしたらダメなんです"と電気
主任の方は本日の作業の締めとして教えてくださいました。これが
責任感という物なのかと電気主任としての心構えをこの停電作業
では学ばせて頂けました。父がどうして私を今日この人のとこに
勉強に行かせたのか最後によくわかりました。100万回停電作業
の本を読むより実際に体験した1回の作業は何より貴重です。

何でも初体験は緊張しますが場の雰囲気になれるのは経験・回数
しかありません。もちろんそれに伴い技量を向上させる努力も欠か
せないですよね。


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