電気主任技術者 トップランナーモーター

モーター取替~省エネ,トップランナーモーターについて触れました。
ある三相排気ファンの動力回路付属のコンデンサーについてこの前
職場で設備の人に"あれが始動用のコンデンサーですか?"と言われ
電気を知らない人はそれもありかと思いました。
あれは受電設備にある電力用コンデンサーと同じ力率改善をする物
で三相モーターなので何もなくても三相電源をきちんとかけたら回り
ます、電気を納得できる様に誰にも説明するのは難しいです。
理由は前記事を読まれた方はすでにご存知かと思います。

最近力率改善用コンデンサーを意識したのは厨房用11KWの排気用ユニット
の取替工事の時ですね。
ファンと一式交換するのに製作に約30日はかかるので応急で直入起動の
7.5KW工事用仮設排気ユニット用電源
を準備する必要が発生した時です。
11KWのモーターが既存となってるけど実負荷はなぜか7KW程度しか負荷が
ないので今回はこれでいいのです。

スターデルタの切替時間を0秒にしてデルタの3本に接続すれば実はとも
は思いましたが業者の方から何があっても困るのでそういう細工では
なく完全な直入れ電源をとの要望があり今回は対応しました。
これは取替前のスターデルタ回路の状態!

使えるマグネットは在庫にあったので簡単な起動KITを作りました。
いつものTB15601Kは電圧はいけるけどこんな大きな容量の電気開閉
は直接できません。あくまで今回は時間制御用ですね。
既存は中央監視からの発停ですがそこは触りたくないのであくまでこの
タイマーで簡単に1ヶ月間だけ仮設機を運用する事にしました。
それにタイマーがないと朝晩誰かが手動起動停止が必要で職場で文句
を言う中高年の人が絶対発生しますからそういうのは避けます!
(簡単に手動にするならスナップSWを励磁コイル電源の片側に挿入)
使うマグネットは同じ11KWが使える物でないとその7.5KWに合わせ
小さいマグネットを準備すると既存電源ケーブルの丸端子が入らない
ので注意します。(これは昔の私の失敗経験から)

こういう電気パーツに線を接続する時は必ず2本までです
後から主接点の各上下3箇所に電源ケーブルを現地で接続!
尚、電源ケーブルは必ず端子を使用しないと接続できません。

1.パーツ取付と一次側配線接続が完了したら負荷送りを接続前に空の
状態で回路を動作させてマグネット二次側から200Vがすべて出てるか
確認する。(3年前購入の在庫品なので単相がないか確認)
2.この場合だとモーター側の端子盤内部の接続は外した状態で負荷
送りのケーブル3本を絶縁測定をする。(絶縁0の配線に送電できない)
昨日まで稼動していた、パーツは新品だからそんな確認は必要ないと
の判断も間違いとは言わないけどこれは安全作業への私の拘りとある
意味があります。(後半説明)

この時にコンデンサーが既存回路スターデルタのMのマグネット二次
側に接続されてるのは気がつきましたが今回は11KWのマグネットに
7.5KWモーター使用で接点の電流余裕が十分なので使用しません。
もしマグネットが7.5KW程度では業者が持ってくるモーター力率が
不明なので取付した方がいいと思います。
無効電力が少しプラス過剰になってもなくてマイナス過剰の方が
が絶対に多く接点通過電流が規定を少しオーバーする可能性あり。

ビスが硬くて回らない場合はネジ山をつぶすと大変なので硬いと
思えば最初からインパクトドライバーでネジを緩める事!
業者施工のこうした物はキツくまし締めしてるので手力ではネジが回
らないが最低1個はあります。(並の男性の力でも無理)
コツは回転方向を合わせてワンショットで押さえつける様に叩く!

取外したビスなどがあれば1ヶ月後に元に結線を戻さないといけない
のでビニールに入れてこの盤の中に貼っておきます。
変に自分の机の中で保管して無くしてしまう事ってあるのです。
無くすと在庫にありそうでない、大切な物は無くすとイザでなぜかそれ
だけない
、こういう仕事をしてると特にそれって強く感じます。

接続するのは工事用の移動型排気ユニットでそれ自体で保護回路
を持っているはずなのでTHRを買ってまで今回は取付していません。
そうMCBは短絡保護ですから過電流保護にはTHRが必要ですね。

私の盤側の取付が完了したので屋外にいる業者に電話して配線と
モーターの接続指示を出しました。
結線後に運転開始をして負荷電流がマグネットの定格を超えて
いないか、漏電I0値に異常がないか確認してから工事は終了です。
配線の絶縁も最初で測定してるのでもし起動不良が発生しても
すぐに相手が持参した機械が悪いと言えるのです。

実はこれ夜中24時の作業で極力トラブルになる原因は避けたい
と思っていたのが本音です。

今更ですがコンデンサーを設置するとモーター電流が減るのは承知
されてると思いますが接続点から電源側の電流が低減するわけ
でモーター機械その物に流れる電流は何ら変わりません。

★コンデンサーを設置しても機械単体の省エネには寄与しません★
実際R-Lで構成される電気機器の電流変化を検証してみましょう。

ただ受電では電力会社の負担が減るため力率割引をしてくれると
いう点では意味はあるのでどこの需要家にも高圧側に電力用
コンデンサーが設置されています。(特高の場合も高圧側に)
低圧末端機器に力率改善用コンデンサーがあれば幹線負荷が減ら
せますが逆に幹線は相応の電気的余裕があるのでなくてもその
デメリットは問題となる事がないのがほとんどの現場の場合です。
偶然設置した機械の標準仕様として導入されてると思います。
だから低圧末端機器には力率改善用コンデンサーがあるないが
統一されてないのです。もちろんないよりあった方がいいです。

汎用モーターはもうメーカーでは規制により製造してなく在庫のみという
状況です。
★トップランナーモータ規制が2015年4月より★
だから今後モーター更新をする場合はこの新規格モーターについて現場
の電気主任技術者も相応の知識を身につけないといけません。
トップランナーの省エネモーターは汎用モーターより起動電流が増加す
るので既存電源回路の容量アップなどの検証が必要となります。
メーカーの記事にもあえて強調してありませんがひっそりとその事につい
ては触れてはいます。

IE3モーターとはトップランナーの省エネモーターの事です。
MCBでもELBでもトリップの可能性があるというのは過電流要素にかかる
可能性があると言う意味です。当然マグネットも無害とは思えない!
マグネットは過大な電流が流れ電圧降下が顕著になると状態保持が困難
となり励磁が切れてマグネットがOFFとなります。
その対策として電源電圧が60%まで低下しても状態を保持できるマグネット
を開発してるメーカーもありこういう物も検討材料になると思います。
又はマグネットの容量を1サイズ上げるのも選択肢で費用対効果も考慮
の上で現場の電気主任が選択してオーナーに進言もできます。


価格ですが新技術を満載してる以上は汎用モーターより高いのは当然!
選任の電気主任をしていて職場は電気に詳しくない場合はこうした規制など
の情報の孤立化が懸念されますが電気主任は省エネ分野にも興味を
持っていないといけない
と強く思いました。

結局業者も取付したけど起動できないクレームだけは避けたいわけで
そうなら形だけの”検討しましたが"の言葉はあっても必ず電源工事も
無条件で要求してくると思います。
その前に既存にある回路の各パーツの能力で本当に対応できないのか
最低限その程度のSPEC確認は電気主任としてもすべきです。
もちろん電気主任がパーツを購入して取替できるなら最善です。

消防訓練の時に消防ポンプが焼き付いて昨年夏に消防ポンプを一式
交換したのでプレートを見たのですがJIS_C4210規格つまりIE1で
IE3のトップランナーモーターより2世代前のモーターでした。
消防設備は私の担当ではないのでこれ購入のいきさつは存知ません。
ただ電源設備はそのままで省エネモーターより価格も安かったはずです。

消防ポンプの様に緊急時しか使用しない機械にイニシャルコストをかけて
省エネモーターにしても意味がないのはわかります。
去年の段階ではIE1の汎用モーターはこの様に手に入りましたが2016夏
以降現状の市場の状態はわかりません。
(余談ですがモーターというのは50Hzでも60Hzでもこの様に使用できます。
ただ回転数制御する場合はこういうモーターでは低速時に加熱するので
このタイプは停止か定格速度かで使用するモーターです。
汎用モーターをインバーター使用しても使えない事はないでしょうがあの
使用温度寿命10℃半減説からも寿命が著しく低下すると思います。)

これは2016に交換したモーターだけどトップランナーのシールがあります。
屋外の防水タイプでもあるので昔の室内汎用IE1モーターよりかなり高い!
(屋外式のモーターは絶縁階級も屋内式のE種より上なのです)

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