電気主任技術者 電力量計etc

今日は誰もが知る電力量計について記事にしました。
皆さんならばすでにご存知かと思いますがまずは電力量計の
アウトラインについて............
これは私の勤務してるビルにある単相三線式電力量計なんですが
家庭のも同じ配線になっていますので実物は誰もが見れます。

電力計の下のカバーを外すと1S,2S,3S,1L,2L,3LとあるのでS側が
電源側でL側が負荷側に接続されています。


直接計器に電流を通せない場合はこの様に変流器(CT)を通して電流
を?/5Aの比率で下げてから1S,3Sに接続します。


回路が負荷電流だけでなく電圧が440V回路まで大きいとCTだけでなく
VTもあります。(VTは二次側110V,CTは?/5が比率)

この程度は電気主任技術者でなくても知ってる基礎ですが実際に
現場で扱われてる事例を紹介します。


この電力量計は三相用でCT付パルス発信してるわけでつまり電力量を
遠方の電力監視システムに送っているのです。
つまりこういう現場は月に1回設備の人が1時間以上かけてビル内の
電力量計を見て歩く必要がないという事です。(電力検針)
工場にいた頃は自動検針ではなかったので100個以上電力量計があり
3階にある機械なのに電源の関係で5階の動力盤にそれがあったりで
最初にすべての電力量計の場所を覚えるのが苦労しました。
これから現場に着任する方は自動検針システムはないと思っていた方が
無難ですね。

上の電力量計は計器定数1200rev/kwhの製品です。
円盤が1KWHを計測した時点で1200/3600回転、つまり1/3回転
した時に1KWHを負荷が消費してるという意味です。
②円盤の回転数は負荷の消費電力量に比例する。
③円盤の回転数で負荷の電力P(W)を求める方法を紹介します。
k(rev/kwh)の電力量計がt秒間に円盤がN2回転した場合
P=3600×1000×N2÷(K×t)

自動検針システムはこうなっていて私が勤務する会社では管理は営業
の人が専用PCでしています。
お金に関する事ですから誰でも良いわけではなく当然ですね。
今の現場は電力量の検針から料金算定まですべて営業でしていますが
工場にいた頃は検針して記録した値をエクセルで作成した表に1個づつ
入力して各ポイントの電気料金の算出まで設備がしていました。
間違えると経理課みたいなとこから厳重注意を受けるので毎月1日の
電力検針はかなり緊張して作業を行っていました。

自動検針システムは電力検針だけでなく使用量の各分析も可能で省エネ
をしてるテナントには料金請求時にデーターを作成して渡しておられます。
私もテナントから節電を相談された時にいつのどの時間でMAXが発生して
るのか調べる時に利用しますがランニングコスト削減の相談は今後電気
主任はどこでも増えていくお仕事の一つですね。

現場電気主任は下の配線図を渡されたら現地で盤を見てつなぎが理解
できないといけません。
見た通りですが図面と実際のパーツはこういう風に対応していて線はそれ
にある番号を見たら何の線かわかります。
11C1と11C3がCTから電力メーターに行ってる線で11CAと11CBが外部
にデーターを送信してる線です。

CT本体にある線番を見ても11C1と11C3の意味はわかります。

電力量計の裏側の端子接続を見てもつながりはそうなっています。
Pは電圧入力、×Sは電流入力、×Lが電流出力で実際の配線は冒頭で説明
した電力量計の配線図を参照してくださいね。
電力量計の交換を工場時代にした事がありますがこの接続記号はどれで
も共通ですから楽勝でできました。


こうした電力量計は定期的に検定を受けなければいけません。
有効期限のシールで期限が確認できます。

新規取付(テナント入居)では電子式電力量計が今は主流です。
このメーターの有効期限はH31年1月までとわかります。

忘れもしませんがある飲食店でこの電力盤から煙が出て燃えた事があります。
飲食店の人は夜退社前に不要なブレーカーを切り、朝入れる人が意外といて
朝投入した時に盤の扉を完全に閉めてなくそこにねずみが侵入してCTの配線
を断線させたのが原因でした。
今回使用した写真の場合で説明するとこの部分です。
それもかなり大型のねずみでどうしてこんなとこにこれがいるのか不思議で
なりませんが後でオーナーから清掃管理の厳重注意と今はすべての店舗では
そういう習慣は止めてもらっています。

テナントから焦げ臭い大至急来てください。と連絡を受けて現地に行った時は
すでに番から煙が出ていて私がパニックになる事を許されないのでとにかく
盤の中の主幹を切り電気を停止させました。
★電気火災ではとにかく電気を停止させるしかありません。★
CTの二次側K-L端子を開放させてはいけない戒めを十分に体感する事件
でしたがなぜCTを開放させてはいけないか貴方は納得していますか?
変圧器の一次側と二次側の関係はV1I1=V2I2だからV2=V1I1÷I2ですね。
負荷が0ならI1も0になるのは当然だけどCTの場合は一次側I1が強制的に
流れているので計算上二次側電圧V2が無限大となってしまいます。
実際は相当に電圧が上昇し絶縁破壊が発生して燃えるわけです。

もし通電状態で電流計を仕方なく交換とかするならCTの二次側出力をジャンパー
して短絡して行えば上で言った様な絶縁破壊は発生しません。
もっともそういう面倒をしなくても配給元MCBのOFFで電気を切れるならばCTの
二次側を開放しても大丈夫です。



変圧器二次側にも電流計測のためのCTが必ずあります。
下のCT31、CT33が変流器でたとえばこの先に接続されるメーターの最大レンジ
が100Aならばここには100/5のCTが使用されます。つまりCT一次側に100A
流れた時に二次側電流が5Aになるという意味です。
又なぜCTの二次側にヒューズがないか理由はもうわかりますよね。

CTは二次側を開放禁止でVTは二次側を接続してはいけません。
VTについて私が普段見てる屋外キュービクルの例で使用され方を説明すると
三相6600Vの2線の電圧をVTで6600V⇒110Vに変換してその電圧でランプは
点灯しています。(これで6600V受電を判断)
VTはCTと違い保護装置(ヒューズ)を設ける事が可能で更にこれは制御電源
にもなっていてこのMCBが切れていたらVCSが動作しないのでコンデンサーを
投入できません。
(建物内の制御電源はすべてDC電圧で停電しても制御を失う事はないです)
電源ランプのとこにUVRというリレーがあるけどこれは停電検出で停電してこの
リレーがOFFになると中央監視27の停電警報につながるa接点も切れるので
これで中央監視PCはこの屋外キュービクルが停電した事を知ります。


キュービクルなる言葉が出たので現場を見た事がない方のために皆さんが
コンビニなどお店の外で目にする屋外型キュービクルについて最後に説明。
このキュービクル内には500KVAの動力三相変圧器1台と電灯単相変圧器
500KVAが2台入っています。
このエリアは電気室を設置するスペースがないので特高室で22000Vから
6600Vにして屋外型キュービクルとして受電。
私も毎日は見れないので週に3回は点検する様にはしています。

それでは正面扉をまず1面開けてみると電圧計や電流計、その下にはMCB
やELBが収まっています。
これらは変圧器の二次側から充電されていてここから各現場に電気を送り
異常時(短絡や漏電)は自動で回路を遮断、トリップすれば中央監視PCに
警報が出ます。

電圧計、電流計は下のレバーを回す事で変圧器二次側の各相の状態を
CHECKできます。
上左はこのキュービクル内の排熱ファンの設定で上右はLGR(低圧地絡)
の設定を行う物で通常は100~200mAにします。
LGRが動作すると中央監視PCに警報が出て漏電がその変圧器の二次側
回路のどこかで発生した事を意味します。
尚各変圧器の電圧と電流値は中央監視PCでも自動記録保存されていて
こうした各キュービクル、電気室のdataはグラフとして24時に自動印刷
される様に設定しています。

電圧計があるこのパネルの足元にはB種接地がありますがここを計測
する事で漏れ電流を調べます。
(1個の変圧器に必ず1個のB種接地があり、通常正面パネル前下)
都合小数点を撮れてませんが833mAじゃありませんよ。
8.33mA(約8mA)でまったく異常がない理想状態と言えます。
もし本物の漏電が変圧器の二次側のどこかであれば私の経験上
500mAをOVERします。


初めての人にここを計測してみなさい。と言うとたいてい上手にクランプ
メーターを挿入できません。
こういう狭い場所は奥から内に回す様にクランプメーターは挿入します。
あれ?素手じゃないか?そう接地ターミナルは0Vと言っても必ずこういう
とこに手を入れる場合は絶縁手袋をして測定しましょう。
尚、経済産業省通達により50mAが5分以上継続する状況では必ず
その原因の調査が必要です。


一番TOP写真において一番奥の部分の扉を開けてみましょう。
これは変圧器一次側に給電するLBSです。
これは現地で人間がDS棒で入切操作を行いますがMCBの増設工事
の時に切る必要があるので停電作業でなくても年に数回操作します。
こういう物の操作は業者から電気主任にお願いされます。

手前が電力コンデンサーで奥が直列リアクトル、直列リアクトルは
コンデンサー投入時の突入電流を抑える目的があります。

左下VCSは簡単に言えば電力コンデンサーを充電する高圧の電気の
スイッチの事です。
電力コンデンサーは通常遠隔監視でON/OFF操作をしていますが
OFFをすると残留電化放電を考慮して5分間操作がロックされます。
右はキュービクルの制御回路で動作がおかしい時はシーケンス回路で
調べて該当するリレーなどを交換します。

下がそのシーケンス回路ですがこれの動作説明は過去記事で何回か
してご存知と思うので今回は省略します。

次にキュービクルの裏の扉を開けると主役の変圧器がここで姿を表しました。
絶縁バリアーをしているので日常点検では目視でこの位置から内部をします。
放射温度計も有効です。
ただ手前側が6600Vなのでで安易にバリアー内に手を入れてはいけません。

変圧器正面には温度計がありますがこの場合は現在温度が48℃で86℃
になったら中央監視PCへ警報を送ります。
負荷が50%未満の変圧器では温度上昇に大きく影響するのは気温で夏場
はこの変圧器で68℃くらいまでなります。
変圧器は80℃使用で30年使える丈夫な機器だから全然平気!
取説では(許容周囲温度)+(変圧器の許容温度上昇値)= 40+50
つまり90℃までならいいそうです。
ただ普段60℃なのに同条件で急に80℃になってる場合はいくら基準値
以下でも放置するのは好ましいとは思えません。
MAX値はあくまで限界、前回点検との不自然な変化量も意識しましょう。

これは変圧器に貼ってるサーモーテープで75℃以上になれば赤く色が
変色しますが白なので一度もこの変圧器は75℃を超えた事がないのは
わかります。
温度異常の履歴を残し一旦変色すると元の白には戻りません。

これが変圧器のオイルレベルゲージです。
変圧器のオイルが自然蒸発する事なんてないのでパッキン不良とかで
漏れでもなければ減る事はありませが、油が漏れるほど劣悪な状況は
普通ないと思います。
保安規定で年に1回油試験をするのにごく少量採取はします。
尚、乾式のモールド変圧器の場合ならば油はありません。


油式変圧器の鉄ボディーは接地してるので素手で触れても感電する
事はありませんが、モールド変圧器は表面その物が帯電してるので
絶対表面にすら触れてはいけません。
このBlogに載せるのに都合しただけで油式変圧器も素手では表面
に触れない様にしてください。

絶縁バリアーがあるため奥が見たい時はバリヤーの隙間から携帯で
撮り写真で状態を私は確認しています
どうですかクリアーに内部がわかるのと拡大もできるので便利です。
局部的に急激な温度上昇が発生した金属部分は虹色になるので
見え難いポイントもたまには目視確認もする必要があります。
天井部分などから雨が漏れた形跡がないか確認します。
不良箇所を発見した場合、それを業者にmailかLineで送れば
早急な対応もできます。

これがキュービクル内部の熱を排出するファンで扉を閉めた状態では
これだけが排熱の方法でこのファンはキュービクルの生命線です。
新人さんからどうしてエアコンをつけないのか質問されたけど狭いこの
中でそんな物をつけ局部的に温度SPOTの違いが発生した場合結露
が発生し、水滴が変圧器等に落下したら大変な事になります。

この飛び出た部分がそのファンの排気で夏場はおそらく50℃を越え
いて熱いけど冬場はぬるま湯程度の温度ですね。
それと点検終了後は必ず扉を施錠確認をしないといけません。
台風の時など突風により扉が開いたら?想像しただけで怖くなります。
(キュービクルの鍵はたいていタキゲン製造のNO200キー)

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