電気主任技術者 ファンコイル(FCU)故障

空調機というメイン冷暖房設備以外ではエアコン(PAC)とファンコイル
(FCU)という補助冷暖房機器がどこのビルでもあります。
FCUは室内だけでなくエアカーテンに使用されるケースが多いですね。
あるテナントからファンコイルの冷房をHにしても風が強くならない
という連絡があり私が対応した事例を紹介します。

FCUは熱源で作成した冷水や温水を入れて冷暖房をする物です。
温度を検出してインバーターで回転数制御するタイプと温度制御が
ない3段階で風量を手動切替えるタイプがあり今回のは旧式で1台
のみHレンジにしても風が強くならないというクレーム。

(Hとは高速、Mは中速、Lは低速という切替SWです。)
こういう場合何でもまず図面で確認するのはシステムを適当に点検
していては迅速に解決に至れません!


FCUの電源BOXを開けると配線の接続端子がありそこに図面の番号
が記載してありまず★外線との接続を見るのが電気屋の基本です★
赤①から100Vが入り→右上切替SW→各FCUとなる。
つまりまず親機端子台に100Vが入り切替SWから出力としてすべて
の子機に電圧をかけて風量を変化させているんです。
(電源線の非接地側を切替して3段階で回転制御、マイナス側は
すべてコモンで接続されてる仕組みはわかると思います)
回転が上昇しない子機の端子台の①とAの間にHレンジにした時に
100Vがかかるかに気がつけるかです。

通常ほとんどでHレンジで使用されるケースが多いのでHレンジでの
故障が圧倒的に多いのです。

今回は上の図面でVのとこには100VがあったのでFCU本体という事
で業者に★この段階で修理依頼をしました。★
冷静に考えたら連動で数台が運転していて1台のみならば100V電源
は絶対にあると思うかもしれませんがここは飲食店舗ですからねずみ
が配線をかじり切断するケースがあるのです。
そうでなくても故障は常に想定外と隣り合わせだから必ず電気が機器
に確実に配給されてるかの確認は電気屋の基本中の基本です。
何もわからず業者に丸投げをしていては職場での電気主任として
の信用は生まれないので頼まれなくても自分で調査するのです。


逆に100Vが①とAの間にない場合ですが貴方ならどうしますか?
特定の1台故障ですから断線しかなく天井裏ではあるし調査が困難
な場合は新規に線を引いた方が解決は早い可能性が高いと思う。
(テナントに迷惑がかかるなら時間を優先させた修理方法が最善)
逆にコントローラーが故障してすべてFCUが不能になる方が多くその
場合はコントローラー側で電圧が出てるかを確認しないといけません
但し電源のプラス側しか来てないためにテスターではそれは見れません
からコントローラー1番に検電器を当てて電圧CHECKを行います。
こういう場合、私はネオン式の検電器で行います。
非接触式は誘導や電圧が少し位低くても反応しますがネオン式は見慣
れてくると100Vがあるかないか明るさでわかります。
(床が特別な絶縁状態というなら別ですが私の現場では可能。)

これは昔、私が交換した故障したコントローラーですがこれが壁の中
にありネジを外せば簡単に取出せます。
裏の配線を見ると1番というのがH運転用電源とわかるでしょう。

配線を切る必要はなく1番の線を外して測定します。
H運転のみできない故障の場合ですからコントローラーの電源入力
N線には100Vは必ずあります。
ここの1番で電圧が確認できないならばコントローラー交換をすれば
いいんです。

これが検電器で対地電圧100Vに触れた時の明るさです。
上で言ったコントローラー1番から電圧が出てればこういう感じで点灯。
よくある被覆の上から検電できるのは近くに同じ電源線があると誘導
を受けて点灯する場合があるので私は好きではありません。
(テスターでは非接地側の単線の電圧の有無を確認できない)

コントローラーの在庫がない時に仕方なくこんな応急対応をした
事が一度だけあります。
故障してるコントローラーのコネクタはすべて外して端子台のとこで
Nと1をジャンパーすればFCUはとりあえずH運転は可能となります。
ただ自動OFFができないので私の武器の一つであるTB15601K
を利用して時間制御をさせました。
けっこう高い位置にあるので毎日ON/OFFは面倒ですからこれは
一週間パーツが納入されるまでの応急処置でした。
私が休みの時は他の仲間にもしてもらう必要があり操作の面倒な
改造はブーイング物ですからなるべく自動化すべきです。

このFCUモーターが容量的にこのタイマーで使用可能は確認済。
負荷を直接タイマー接点で制御する場合は接続する負荷に注意!
100Vモーターならこの製品は400Wまでです。
200Vで1.5KWの小さなモーターでもこのタイマー単独では無理
でマグネットをタイマーで制御する方式にします。
(タイマー接点は起動電流や突入電流を伴う負荷は苦手)

余談になるけどタイマー表に抵抗負荷15Aと記載があるけどどんな
負荷でも使用できるわけではなく何を接続するかわからないコンセント
をタイマー制御するなら私ならこう組み立てます。
更にこのマグネットさえ容量を大きくしたら200V30KWのモーターでも
TB15601Kで時間制御できるわけですね。
スターデルタならONボタンをジャンパーしてOFFボタンの代わりにこれ
のNO接点を挿入すればいいのです。
このタイマーは照明、動力、自動制御、応急処置に使用できボルトフリー
なのでTB15601Kは私の電気管理に欠かせないパーツの一つです。


コントローラー故障以外で絡むFCUがすべてまったく起動しないと言う
ならば電源MCBがトリップしています。
こうした★固定設備は定格負荷を計算してMCBの容量を選んでいるの
でそれが過負荷でトリップする事はありません。★
トリップは短絡がどこかで発生していますので接続されるすべての子
FCUの端子台の線を1台づつ外して不良な機器を探します。
FCUの業者はこの機器単体の修理業者であってこういう配線調査は
しないため解決メドは電気主任がつけないといけません。

短絡調査では測定より消去法でいくのが確実です。
1台分の配線を外したらそれで電源MCBを投入するの繰り返し。
この場合トリップしなくなった機器のどこかに短絡があります。
もしメガを当てて0Ωとなったら短絡により漏電も併発しています。
よく機器内部で短絡焼損したらこういう状態になるのを何回か経験
しましたが絶縁0ならばFCU内のモーターが逝ってる可能性大です。

モーター端子台のとこで絶縁が0Ωなら業者は内部のモーターと配線
のある程度を一式交換します。
ここまで結果が出たら取替理由は社内で成立するしお金をかける以上
中途半端に修理して再発するのがお互い一番困るので一式交換が
最善です。短絡する様なパーツを修理してまで使用しません。
特に★10年経過した部品は漏電、短絡で故障箇所を探すプロセス
をして見つけたら即取替です★
モーターの修理は取外し、工場で修理、再度取付とかしてたら人件
費がかかり新品交換と費用が変わらなくなるのでモーターを修理
してまで使うメリットはないです。(特殊なモーターは除く)

商業ビルで電気主任をする予定の方は覚えておいてください。
家庭、小飲食店でもこういうガスメーターがあると思いますがこれは
ガス漏れ、地震などで動作してガスを遮断します。
稀に誤動作したり、衝撃を与えたせいでこれが動作してしまいガス
が使えないと連絡してくるテナントがいます。
そういう場合こういう方法でリセット使用再開できますがボタンを押し
てもすぐにはリセットされません。

(ボタンを押した時点で3分間何も異常がないかモニタリングしてそう
なら自動リセットされるとガス屋さんから以前説明を受けました。)

これでリセットできないならばガス屋さんに連絡されてください。
ガス設備異常は夜中でも24時間ガス会社は即対応します。
もちろんすべて有料ですから電話するのは持ち主のテナント。

一度厨房のガス安全システムの天井裏の電源線をねずみに
かじられガス弁が開かない、開店30分前で店長に懇願され私が
調査、応急修理をした事がありますが基本こういうガス設備や消防
設備の電気故障は専門業者にさせてください。
私も消防甲4の資格はありますが資格があるのと実務取扱いができ
るのは別問題でガス設備や消防設備は電気主任の取扱業務で
はありません。
(法的にもそうです)

他人の記事を読むとなるほどと思いますがイザ貴方がそういう担当
となりこういう事に遭遇したら職場の人はわかりませんから頼れるの
は電気主任の自分しかいないのです。
何かを設計するわけではないのだから電験で勉強した時の難しい
理屈のみはビルや工場の現場で必要とする事はないです。
それより自分が担当した現場の仕組みがどうなってるのか?
現場機器をどれだけ扱えるかが選任電気主任が一番要求される事。
後はトラブルが発生した時の対応力とできたら小さな創意工夫力が
あればGood Job!計器の記録を取るだけなら中学生でもできます。

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