電気主任技術者  冷温水発生機故障対応

今日はお仕事の関係で20時まで会社にいたんだけどいきなり
中央監視PCにてNO2冷温水発生機が異常停止警報。
今日は涼しく500+250冷凍トンで運転していました。
ただ中央監視では異常停止警報のみで原因がわかりません
から現地ですぐに確認が必要です。
(下はNO1が正常運転状態で異常発生すると赤いアイコンが
フリッカし警報音が出て知らせてくれます)

これがその異常停止したNO2冷温水発生機
20時を過ぎてるので当たりも真っ暗で夜間作業はケガの危険性
もあるのでできるだけ最小限の対応で収めたいですね。

現場機械の操作パネルを見るとエラー番号0022と表示中
これを見ただけでは何の異常かはわかりません。
とりあえずブザー停止、回路警報リセットをしないといつまでも中央
監視へのエラー警報が停止しません。
又運転モードは遠方から機側モードにして遠方操作をロックします。

こういう場合、機械制御盤を開けると警報リストがあるので
それで確認するとバーナーファン過負荷でした。
以前記事にしたけどNO1冷温水発生機で昔そんな事がありました。
あの時は業者も他トラブルで明日でしか点検に来れない!
来れない上に真夏の昼間MAX負荷状態で500冷凍トンが1台でも
停止すると館内の冷房の効きが極めて悪くなる状態。
私のわかる範囲で点検したらマグネットが単相運転をしたせい
で何とかそれの交換を私がして故障回避できました。

今回もそうかもしれませんが過電流の原因はモーターの
回転に反抗する機械的何か
でも発生するので原因は
調査してみないとわかりません。


こうしたモーター過負荷警報はTHR動作を検出し動作してるのでまず
はリセットボタンを押してそれを行います。
次にこの写真の88BFのマグネット二次側配線でメガをすると絶縁は
問題なしという状態でした。(★必ず絶縁を確認する事★)
それをせずにとりあえず再起動だけは絶対にしてはいけません!

もし絶縁が0Ωとなったらたいていモーター交換しかありません。
最低取替費込で50~100万円かかるので社内での手続きや工事手配
などで二週間~三週間はこの機械は使用できなくなるでしょう。
なぜそれが発生したのか?という報告書を会社に提出しないといけない
ので普段からモーター点検をして記録を残しておかないといけません。
特に直近の点検測定したデーターが重要ですよ。
今の時代は壊れたのだから仕方ないで物事が通る時代ではないのです。

今回は業者がメンテしてる機械だから私がそれを行う必要がないけど
そうでない動力盤、電灯盤で故障、事故では私が行う必要があり
けして他人事ではないのでこうした業者の報告の仕方をよく参考に
して自分の報告スタイルを確立しておかないといけません。
いずれに記事にしますが故障時の報告書の書き方、報告の手順
は電気主任にとって大切なスキルと言えます。


絶縁不良だけを見るならば500Vメガでも100Vメガでも関係ないです。
逝ったモーターはどれでしても0Ωです。
制御回路があるので故障調査では私は100Vメガでしか行いません。
100Vメガーで20MΩ以上あるならば乾燥した場所なら100MΩは絶縁
は間違いなくあります。
通常の絶縁抵抗値を測定するのと違い故障調査では極端に言えば
0MΩかそうでないかの二つに一つという状態なのです。

モーターが逝ってないならばファンロックかベアリング異常の可能性
が高い
ですね。
とりあえずファンの動作状態を知るためならば制御電源を切りマグネット
の頭を押さえたら強制単独起動はできます。
運転してみない事にはベアリング異常やマグネットの単相状況も確実
にはわからないからです。
通常の信号の流れで回路が動作したのと異なり何かだけを強制的に
稼働させたりすると"状態不一致"という異常警報を出る場合があり
ますのでそういう事は制御電源をまず切るべきです。
(動力用の主電源まで切るとモーターをスポットで回せません)

ただ今の時期はFULL運転状態ではないので代替のNO3を運転の上で
無理せず明日朝一番に業者に点検依頼する事にしました。
THRリセットでエラー表示は消えてますが故障原因が確定してない以上
は再起動もこの時点では基本すべきではありません。
こういう故障を一人で現地確認した場合は必ず写真を撮ります。
業者との点検報告とつじつまが合わない場合に見間違いと言わせない
ためです。(事実を否定させない)

翌日、業者点検の結果、ベアリング交換が必要との事で見積もり
を提出され会社が発注して交換となるので2週間以内には修理
はできると思われます。
原因は経年劣化で機械物はいつか必ず壊れるわけです。
それがオーナーに通るのは定期点検をして直近の理に叶った結果
があるからで"ただいきなり壊れました"だけでは経年劣化という言葉
は故障理由にならないのが現場です。
形ある物いつか壊れる物ではあるけど電気技術者業務においても
そういう理屈だけではダメなんです。

三相モーターの電流が増加するのはマグネットの単相運転以外
ではモーターの回転を妨害する抵抗が機械的にある場合も増加
するのです。
多いのが軸受(ベアリング)不良で大きな異音が発生するので
THRトリップがまだ発生してないなら大至急交換しないとTHRが
動作してモーターは停止、以後運転不能に至ります。


私の経験ではTHRが動作した程度で絶縁が0Ωまでになるのは稀
ですが短絡でMCBがトリップした場合はそうなる可能性があります。
たぶん短絡の多くは運転中ではなくて起動時に発生する事が多く
一例が停止状態でマグネット接点不良で単相状態になってるのに
三相電圧がかかり起動した場合です。
(逆に運転中に単相状態になれば理論的には電流は√3倍、実際は
回転低下つまりすべり変化を伴うので実際は約2倍の電流となる。)
電験三種を勉強されてる方のためにすべり3%で運転してるモーター
が単相運転してすべりが4%になった場合の電流変化がこれ!

★ですからいつまでも老朽化したマグネットを使用するのは危険★
業者メンテ範囲外については私がBLOG記事で紹介してる様にできる
物は自分で交換しましょう。(10~15年が基本寿命)
できない物については可能な事はしてるならば業者作業も認めて
もらえるのです。選任電気技術者なのですから当然ですよね。
⇒マグネット交換 1⇒マグネット交換 2

午前中はある飲食店からこんな変な電話がありました。
"フードプロセッサーが漏電してるみたいで知り合いの電気屋
に見てもらってるんだけどコンセントが悪いと言ってる!
私にも見てほしいとのお店の方の電話でした。
電気屋が来てるのにどういう事?"と思いながらも現地直行。

お店はガチ満席で分電盤さえ見れない状況ですね。
業務用厨房機器なら内部に15mAのELBがあるけど家電に近い
機器でそういうのはたぶん内蔵してないでしょう。
その電気屋さんにどうしてコンセント不良と思うのか質問したら
接地とプラスで60Vしかないから接地が効いてないという返答。
前記事でも紹介しましたが接地が正常ならばほぼ100Vです。
ですがこれは漏電の原因とはなりません。

まず感電したという機器金属部分に検電器を当ててみました
が点灯せず漏電の確認ができません。
更にその機器の電源コードでリーククランプでI0を運転状態
で測定してみました。
あれ機器が一瞬稼動した瞬間に10mAとか検出されてすぐに
0mAになるのです。
店長にこれはやはりこの機器が悪いと説明をしました。
ただそれとは別件でこのコンセントは接地が十分に効いて
ないので漏電が発生すると感電する可能性あります。


今は分電盤を見れませんが10mAの漏電ではELBが動作しない
のでせめて接地を適切にして感電の危険性を最小限にする
必要がある事も説明しました。(30mAトリップ)
ただ電気屋さんが目の前にいるから今回私は修理しません。
彼がそれを交換したら上の写真の状態となりました。
機器の方は交換すると店長が言われてこの件は終了です。

とりあえず機器単体でのメガ測定は私ならこう行います。

電源を切り機器が停止した状態でメガは測定しますが内部
の何かが動作した時の漏電ではそれが検出できないケース
があってもおかしくありません。
そう機器稼動中のみに発生する漏電という意味です。
この現場に着任してそういう事例をいくつか経験しました。
その経験から機器漏電かも?では機器メガもしますが電源線
をリーククランプで機器稼動状態でしばらく測定を行います。
絶縁が正常ならばMCB位置と同じで通常0mAかあっても0.1m
Aとかで変化はないはずです。(1mA未満の事)

意外と回路のメガは測定できても機器単体のメガを測定できない
人が多いのでよく覚えておいてください。

上の様に3Pコンセントでない2Pコンセントの場合ではわかる?
まずその機器の接地端子を探しますがもしないならば裏の塗装面の
ない金属部をEARTH端子で挟んでください。

その上でプラグにメガのLINE端子を当てて測定する。
★家電は必ず100Vメガで行います★
こういう場合は無限大と言うのではなくて20MΩ以上というのが
正しい絶縁抵抗の言い方です。
100Vメガは20MΩまでしか測定できないだけで無限大なんて
抵抗値は世の中には存在しません。
無限大は宇宙の大きさのみで人間世界はすべて有限です。

下にあえて基準を計器に貼ってるのは現場で客にも納得して
もらうためです。たいていお客さんも私の後で見ておられます。
(こういう小さな配慮も大切で自分だけわかっていて上から
目線で物を客に言うのは今の時代通用しません。)

これで100Vあれば接地は効いていると話しましたがこれは
何をしてるかと言うと電気室にある変圧器のB種接地と接続
されているかを見ているのです。

漏電した物に触れて感じる電圧というのは実は0Vではなく
そのB種接地と機器接地の抵抗値で分圧した電圧分こそが
感電した時に人体にかかる電圧なのです。
だから接地したら感電電圧が完全に0Vになるという説明を
してはいけません。

通常の感想した状態ではその感電電圧は50V未満、水気が
ある場所では25V未満が好ましい様ですね。
一応対地電圧が150V未満で乾燥した場所では接地もELB
もなくても問題はありません。

(家にある単相三線式からの線間200Vは対地電圧100V)
洗濯機にはアースはいるけど家の乾燥した場所にある電子
レンジには接地端子はあって未施工でも問題はないです。

安全を意識して何でかんでもELB取付をテナントに勧めると
ノイズなどで誤動作して落ちる可能性があるので厨房や水気
がある作業場所以外では私はテナントには勧めません。
究極の安全と安定した運用は必ずしも両立しないと思う。

更にその機器を稼働させてI0の変化をしばらく見る。
絶縁が正常ならば機器単体レベルでは0か0.1mAのはず。
ヒーターの様な単純な装置ならともかく内部の装置が動作
した時だけつまり稼働中のみ発生する絶縁不良も知りたいから
ここまでで問題ないならその機器は万全と判断するのが私流。

ただ★こういうメガ測定はしない方がいいです
他の方は知りませんが父や祖父からも最近は電子回路基板を
内蔵してるので壊す。とよく言われました!
線間メガという言葉は確かにありますが動力盤においても今は
基板による制御となっていて現場で行うメガというのは対地間
メガだけと思ってもいいです。

100Vメガだから大丈夫と言われる方がいますが電圧が仮に同じ
でも電源がACとDCでは回路の反応の仕方が異なるし機器取説に
プラグ間にDC100Vをかけても問題ないと記載がなければ本に
書いてる通りにした。なんてお客様には壊した理由になりません。
常識的に考えてAC電源で稼働する機械に電源入力と同じ方法で
DCをかけて問題なしとは電気屋の考え方とは思えない。
対地間メガはDCをかけますが回路その物にDCをかけてないの!
もちろん壊したら無条件で相手に弁償しなければなりません。

最初の話に戻りますが後でお店の人からどうしても納得できない
ので私に電話したと言われていました。
その業者と言う方はテスターしか持参していませんでしたが漏電
感電クレーム調査ではメガ、リーククランプメーター、テスター
検電器はそろえてから調査すべきです。

お客様が感電したというポイントに検電器を当てて点灯しなくても
それだけで漏電はない、気のせいとは言わない事。

たとえば冷蔵庫、製氷機などでコンプレッサーが動作した時だけという
間欠漏電もありえ、これでは電気を止めて測定するメガでさえ異常なし
という結果が出る可能性もあるのです。
(電気を止めてる時はコンプレッサーも動いてないという理屈)
又同時に築が10年以上の現場ではコンセントの接地が有効に効いて
いるかテスターでの点検もすべきと最近思います。

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