電気主任技術者 ライフライン給水制御

ライフラインを守るのも電気主任技術者の大切な業務
受変電設備、配電設備がいくら正常でも水が使えないのではどんなビル
工場でも生産活動ができません。

★冷暖房など空調、電気の安定配給、水の安定配給で不調があれば最初
に連絡を受けて対応を電気主任は要求されるのです★
業者に連絡したのでお待ちください。と言って何もできないは許されません!
私の勤務するビルにある2種類の方式を紹介しますのでこれから現場
に着任される方は参考にしてください。

これはオムロンの61Fリレーを使用した給水方式です。
パーツの価格が安く10年以上ほとんどトラブルなしで使用できる優れ物!
貴方がビルや工場の電気主任技術者を目指す場合にかなりの確率でこの
方式に遭遇する事になるのでここで基本を学んでおきましょう。

まず基本として1個の電源と1個の61Fリレーから構成される単純に水槽
に水を入れるだけの方式で右のタンク水位がE2より下がるとポンプが運転
されて給水を開始してE1まで水が入ると停止する方式です。
(これには満水や減水時の異常を知る仕組みがありません)

S0が電源Rに、TcとS2が電源Tに、Tbがマグネットのコイルに接続されます。
Tcの上のSWがONになる事でTbよりマグネット(MG)の片方のコイルに給電
される事でMGが投入されポンプが運転状態になるの200VをS1に接続する
と電源一次コイルの100Vタップに200Vをかけてしまい焼くので注意!
又E1~E3が水槽の電極にそれぞれ接続されます。
E3には槽内の一番長い電極を接続してこれはコモン電極といいこことE1又
はE2間で信号のやり取りがされる。

制御異常が発生した場合はまず電極関係の配線異常がないか次に61Fリレー
の交換すれば復旧する事がほとんど。

こういう電子的なパーツは修理してどうこうする物ではなくて故障したら取替
が基本です。(蛍光灯の安定器と同じ感覚)
尚DC電源でなくAC24Vを採用するのは電極の電腐という現象を避けるために
ACが採用されてるのは知っておいてね。
この61FリレーだけをNETでこんな価格で購入できるんです。
実際はそれと電源変換部分でこのユニットは構成されますから61F-G3とか
61F-G4とかユニット名があるのでそれ一式もあれば対策は完璧ですね。

次に実際にビル、工場にある61F-G4方式の回路図を紹介します。
受水槽+高架水槽方式の給水方式で採用される方式で電源部と5個の61F
リレー、MK3Pリレー、本体回路からなります。
このオムロンの水位制御方式は相当多くのビル、工場で採用されてる定番の
方式で初めて見る方は回路はともかく動作だけでも覚えておくといいですよ。


まずこれの動作だけを説明すれば高架水槽の水位要求により給水ポンプを
運転停止させるのは最初の方式と同じ、更に高架水槽が満水や減水になると
警報を出せます。
給水ポンプは2台あり通常自動交互運転ですが渇水(減水)まで水位が下がる
と2台運転
して強制的に水を早急に入れます。
(通常は減水というのですが上図面では渇水という表現になってますね)

受水槽は満水、減水警報、ポンプの空転防止機能があり減水警報が出る
と空転によるグランドの焼損防止のため出ると給水ポンプは動かせなく
なります。
下の場合だと別に空転防止用の電極までありますがいろんなメーカーの
制御があると思うので現場に着任したらよく研究されてくださいね。
とにかく受水槽は水が減り過ぎてポンプの吸込み位置より下がる前に
ポンプの動作を停止
させる機能があるのです。
受水槽内部に水道水を入れる装置を定水位弁(FMバルブ)といい動作
トリガーを生むパイロット部分があります。
ここが開放されるとFMバルブから水が出て受水槽に水を供給します。

制御関係の故障ではたとえば高架水槽の満水警報が出ない場合はE4の
配線を目で追ってみてください。
U4の61Fリレーに入っているのでこの場合ならば電極の断線がなければこの
U4のとこの61Fリレーを交換すれば直る可能性が極めて高い事になります。
ポンプが運転しない、停止しないならU5とその電極に接続される61Fリレー
を交換すればいい
のです。
61F-G4の細かい回路の動きがわからなくてもつながりを追う事で簡単に
故障対応が可能な点がこの方式の魅力ですね。

FMバルブのパイロットの開閉を電極で水位検出して電磁弁で開放せずに
ボールタップで行う方式なら2個上資料の受水槽2と3の電極はないです。

つまりこういう受水槽で電気配線がないつまり電磁弁がないという事です。
給水が停止しないで満水警報が出たならばまずバルブAを閉めて水が停止
すればボールタップ交換が必要、停止しないならこのタイプだとFMバルブ
の中にワン皮パッキンがある
と思うので交換したら正常になるはずです。
水位が正常で満水警報が出てるなら前述した6F-11リレーの交換が必要!
こういう手で回すバルブを全開した場合、1/4回転戻す事、一杯に回したままで
終わると次回バルブを閉めようとした時にかんで回らない
事があります。
もしそうなったらパイレンとかをハンドル部分にかけて強制的に回すのでは
なくバルブの底を軽く叩くとその振動で簡単に回りますので覚えておいてね。
★何でも力づくというのは壊す事になり間違った行為です★

電磁弁制御でパイロットを締めるのと違いボールタップでは瞬時に閉鎖しない
ため給水終了マジかではキューとFMバルブから音がするから音を聞いただけ
でも給水制御方式はわかります。

下で言えば11番の部品がワン皮パッキンという物でこれが劣化するとFMバルブ
から水が出たままとなります。
父の工場に勤務していた頃にある機械に給水するタンクがこの方式で私も2回
程度ワン皮パッキンを交換した事があります。
こういう物を分解する時は各パーツがどういう順番で入っているか確認し覚えて
から行う事が大切です。

水槽の中を見ると受水槽、高架水槽共にこういう電極というのがあります。
一番長いのがコモンで一番短いのが満水警報でこれは共通しています。
槽自体はFRPだけど湿度、塩素成分の影響により長年使用で電極は腐食
してきますから折れたり、断線するとその部分の機能は動作しません。
特に一番長いコモンの電極が飛ぶとすべての機能がDownしますから
動作に異常がある時はこの電極をまず目視確認しましょう。

これはこの電極と配線の接続部の電極ホルダーでここの清掃をたまに
しないと槽内の塩素により腐食して断線もありえます。
水道水は残留塩素を含んでいてこういう大量にストックした物からは微量
だけど塩素ガスが出ているからです。
近接した動力盤とか長期間使用では電気的な影響も懸念されます。
だから通常地下にある受水槽室は24H換気ファンが運転されています。

一番長い電極につながる線と一番短い電極につながる線を短絡させたら
満水警報、二番目に短い線を端子から外すと減水警報がここで出せます。
警報回路が正常に動作するかの試験を半年に1回は行います。
ただここは足元が滑るから盤側にあるこれら線と接続されるターミナル
部分で行えばスマートにできます。現場図面に載っています。
余談ですが汚水槽や雑排水槽は満水警報のみで減水警報はなし!

こういう物に限らず各機械、設備にはどんな警報がありその警報の線
と端子がどこにあるか電気主任はすべて把握しておかないといけません。
中央監視PCでそれが出ても他の人はわからないので誰も何もしては
くれないのですから自分だけが頼りですよ。

★工場、病院、飲食店で長時間断水は絶対に許されません★
テナントビルでもトイレが使えなくなり相当の苦情が出ますから水は電気
と同じで止めてはいけないし仮に故障時は迅速な対応が必要です。
この61Fリレーは2個1万円で買える安い物だから在庫として2個でも
あれば管理してる側としても安心できます。
私の勤務する現場では61F-G4ユニット一式も在庫として所有しています。
あれでも電源ユニットが故障したら61Fリレーだけでは無理ですし私の
判断で一式でも購入したのです。制御動作により各種あります。

給排水業者が着てもユニット一式交換となるとそこから又電気屋を呼ぶ
事となり相当に対応が遅れるので制御に関してはそこの電気主任が
普段から研究してできるの理想的です。
ユニット一式交換は配線をすべて外してからになるので上手な人でも
30~1時間は取替には時間がかかると思いますからダメなら早急
に決断して交換作業に入るべきです。

この対応が遅れるほど矢の様な苦情がオーナーに来るのです。
当然後で報告書と言う形でオーナーに提出をして今後同じ事が発生した
場合の対応策の提出も必要となります。
業者がすぐ来なかった、手配が遅かったなんて言う前に自分も何も
できなかったならば責任の一部はあるのです。
そうなると事前にパーツを購入しておいて電気主任が交換をする。
という結論に至ると思います。

負担が増えたと考えるのでなく選任の電気主任として存在価値が
更に示せたと思えない様ではまだ選任電気主任技術者としての
気構えに達していません。
負担と感じる人はいずれこの現場(会社)を退職されるでしょう。
定年までまじめに勤務して退職する人よりこういう何かの理由で
中途退職される電気主任がほとんどだと思います。

そういう方がいるから電験三種を取得した人の就職先が生まれるわけ
でいずれは貴方もこういう事の試練に合格が必要なのです。




ポンプの水が上がらない?
受水槽の様に水源がポンプより高い位置にある場合はいいけど水源が
ポンプより下の場合ポンプの給水管内部の水がフート弁故障で抜けて
ポンプが空転現象を起こす
ケースが時々あります。
父が電気主任をする工場に勤務してた頃に雑揚水ポンプでその現象が
発生して30分間も空転してしまいもう少し長く運転していたらグランドを
焼いてしまうところでした。その後で父がしていた改造を紹介します。
理屈は簡単でスターデルタのMCMのマグネット二次側から200Vを出し
それで200Vタイマーを起動、そのタイマー接点を何かの警報と共用
させたらポンプ異常を中央制御室でも知れるのです。
MCBにあるトリップした時に動作するAL接点に接続するのがいいです。

上の水槽は水が規定の位置にならないためにいつまでもポンプ運転を
要求しますがポンプに水がない状態で回り続ける現象を空転という。
通常の状態でのポンプの揚水時間はほぼ決まっているので仮に20分
としたら23分タイマーに電圧がかかり続けたら接点がONになる様にする。
ビルにある様な電源MCBはそのトリップを中央監視PCに知らせるのに
こういう多機能なMCBを使うのです。
このALから出た線が中央監視に行くのでこの2線にパラにタイマー接点
を接続すれば簡単に実現できます。

次は上と違い高架水槽が無い常時圧力をかけて給水を行う方法です
これが全体の単線結線図で各細かいシーケンスの前に全体のつながりを
最初に調べ学ぶのがこういうのを覚える手順。
私もまずこの紙1枚と現地を見ながら研究、学習しました。
この方式では受水槽しかなくてポンプで常時圧力制御しながら加圧しています。

図面左下のこの部分を受水槽といい市水をSTOCKする。
①の電極の水位がE1まで下がると矢印先の電磁弁が開放してFMバルブ
という水を給水する物から受水槽に水が入りE2まで水が入ると電磁弁が
閉鎖してFMバルブからの給水が停止します。
実際槽内は2槽式になっていてこのFMバルブ、電極は2SETある。
どこでも受水槽は2槽式になっていて連結管で結ばれ常に同じ水位レベル
で運用されます。

②の電極はこの水槽の満水、減水、渇水という異常状態を感知する電極
で渇水になるとポンプは強制停止されます。
そこまで水位が下がると槽の給水管より水位が下がり(レベルSより下がる
意味)エアが進入してしまいポンプが機能しなくなるからどこでもこうなって
います。

現場によっては①②が一体となり満水、電磁弁閉、電磁弁開、減水、渇水
という構成の場合もあると思うけど内容は同じ。
又電磁弁を使用せず単純にボールタップもあるはず。
もちろん停電した場合非常用発電機の電気でこれらは継続制御されるので
問題なし。時々あるのが電磁弁が故障した場合で固着して開かないと給水
不能により槽が空になるのでその時はパラ施工されてる手動バルブを開放
し応急的に水を受水槽に入れられます。

30KWの三相モーター3台でビル内に給水されていてこれはその電源部分。
ここでは2台のインバーター電源ユニットで3台のモーターが台数制御されて
います。(モードA)
ACLとは電源の脈動を抑えるリアクトル、NFはノイズ除去でINVがメインの
インバーターユニット、51はTHRの事で過電流発生時に回路を遮断する物。
INVが故障すると自動的に商用電源のモードBとなり給水が停止
しない仕組みになっています。
ただ商用になるとポンプがFULL稼動となり水圧が高くなるので手動バルブ
でポンプの水圧調整が必要です。
そうしないと給水ラインのどこかでノッキング(打撃音)を打ち弱い配管や
エルボー部分で割れて水漏れが発生します。

これがそのポンプ3台で下が実際の写真
このシステムはNO1がマスターでこの出口圧力を基準としてシステムを
制御しています。
圧力タンクというのは急な水圧変化を吸収するためのクッションタンクの
役目をします。

私は電気担当だけどポンプのグランドパッキン、圧力計の交換くらいは
機械の事でもできます。

これは低負荷検出装置で出口配管流量が0近くなると(夜中とか)に信号
を出しそれによりポンプを停止させます。
構造はガチに簡単で流れがなくなる事で板が締まりそこにリミットがある
だけの構造...実は一度このリミットが固着してポンプが回らない事が
あったけど急に起きると容易に気がつけません。
こういう場合その線を切断するかNormalCloseの接点なら短絡すれば
要素は切り離しできます。
絶対にこういうのは電気主任でないと発見できない腕の見せ所ですね。

これが制御盤の方で7とある端子に受水槽の電極2が接続され渇水状態
となるとここから3台のポンプに強制停止をかけます。
1とある端子に前述したNO1ポンプで検出した圧力値を入力していますが
これを元に制御を行います。
負荷によりここから台数制御を行ったり、INVが故障すると自動で商用
運転に切替する動作を行います。
もしインバーターもダメ、自動で商用切替にもならないならという話では
スターデルタ回路を制御回路不能で手動で起動させるしかないです。
私ならこうします⇒スターデルタ応急起動