2016年7月16日土曜日

電気主任技術者 遠隔監視

⇒私の受変電設備月例点検方法
で紹介してる方法で自己流で受変電設備の月例点検をしてその
結果はこうした自作の用紙に記録保存しています。
(点検用紙及び書式はエクセルで自由に作成されたら十分です)
月例点検はどこの現場もしないといけない保安規定で定めた事項。
尚、月例点検では変圧器のB種接地の漏れ電流測定は忘れないでね。
なるべくノイズカット可能なリーククランプメーターで行う事!
値が50mA未満なら測定器の精度は問題にしなくていいです。

その他日常点検も行っていますが24時間状態を見る事はできる
わけありません。
実はそれをしてるのは設備監視室にある遠隔監視システムなのです。
たとえば受電22000V部分のPC表示ですが1665KWという現在の
受電電力値を画面でクリックします。

左のメニューとなりその中の計測上下限監視設定をクリックすると
右となりBlueの部分に2500と入力すると受電電力が2500KWに
なったら警報が出るのです。
当然デマンド絡みなのでそれ未満の値で設定をします。
もちろんデマンド制御もあるのですが実情切る負荷がないという
状況でデマンドは15%程度は余裕は残しています。
でも夏場もしもの場合もあるので警報設定だけは入れてます。
この辺は現場によりそれぞれだと思います。

同じ方法で受電電圧や受電電流でも警報を出すための連続監視
をするなら同様な方法で設定できます。

デマンド制御とは現在デマンドが残り時間(30-T)分で契約電力
を超えない様に必要なら登録した機器を自動停止させます。
ただ自社ビルでは容易だけどテナントビルや生産工場ではそれも
限界があり、切れる負荷がなければこれもできはしません。

受電は安定配給をしてくれる電力会社頼みですから私が遠隔監視
で期待するのは変圧器周辺の遠隔監視ですね。
その変圧器周辺はこうなっていてそれらの説明もしました。
補足すると51(過電流継電器)、27(不足電圧継電器)67(方向性
地絡継電器)、最低この3個だけは電気主任がわからないと恥です。
絶対に他人に"これ何?"なんて質問してはいけません。
こういう数字を自動制御器具番号と言います。
51=OCR、67=DGR、27=UVRだけど現場で業者と話す時はたいてい
この数字で話をするのでわからないと打合せもできません!


37Fの現地信号元はこれです。
変圧器上のLBS部分で短絡によりPFが溶断した場合。
ここが事故で短絡するとすれば変圧器内部~LBSまでの短い期間で
あり又高所設置のため生物被害もまず発生しません。
ただ経年劣化等でリミットSWが誤動作するとPF溶断の偽信号でLBS
本体が切れるというケースは想定できます。
変圧器二次側つまりMCB二次側はMCBが先に落ちるので接続されて
る負荷設備の影響でLBSが切れる事はないはず!

これがLBSの回路図です。
左下の電力ヒューズ溶断でONがリミットSWの事でそれがONすると
格PFX11~PFX13のリレーがONになるのは信号を追えばわかる
と思います。
リレーがONすると上のa接点がONとなりLBSのトリップコイルに
電圧がかかりLBSを切るのです。

つまり1個でもPFが動作すればLBS全体がこれで切れるのです。
尚、図面から外れていますがPFX11~PFX13のリレーは2a接点で
上の動作と中央監視への警報も行っています。

26の現地信号元はこれです。
変圧器の温度計内部のa接点が設定温度に到達したら動作。
定格負荷未満&人が我慢できる周囲環境で変圧器の油温度が
80℃は超えないと思います。
私は油変圧器で油温度が80℃になったのを見た事がありません。
今の現場でも夏場負荷が高くなって60℃いくか?程度で
全体的には40~55℃くらいですね。(電気室冷房27℃設定)
尚、油のないモールドタイプは100℃になっても絶縁階級上問題
のない様に強い設計になっています。
たしか130℃程度で警報を出す様にしていたと思います。

LGRの現地信号元はこれです。
変圧器の二次側回路で漏電が発生した物はすべてここを通過する
のでこれを監視しておけばその変圧器で電源配給する回路の漏電
は知る事ができるというのが原理です。
ここで測定した値をLGRが読み込んで設定以上になると監視PCへ
警報を出します。(通常I0レベルの監視です)
尚、この現場ではそれにより電気を停止する連動動作はなく
警報発生後は私が調査を行います。
(私が担当するこの現場でI0で言えば50mAを正常時超えてる
変圧器はありません。)

ただここを通過するのは交流電源を扱う関係上、対地間静電容量
回路を通じてノイズや高調波もそうなのです。
そう誤報というのも時々発生するのがそういう場合は一瞬のみで
まったく調査もできません。(火災の可能性はない)

以上のべた3点の中で必ず遭遇するのはLGR警報なので漏電
発生時の初動方法~調査方法は訓練しておきましょう。

誰も教えてもしてもくれません、電気主任の貴方がそれを調査
して必要なら業者を呼んで指示を出すのが電気主任の義務です。
(私のBlogではそれについて私流を紹介しています)

私の経験でこれが動作するケースはELBでないMCB回路です。
わからないからとLGRの設定を600mAとかにして正常を演じてる
現場があるとしたらガチヤバイと思います。
次の変圧器グループも同じ様な連続監視をしています。

変圧器のとこにR相の負荷電流が表示されていますがそれを
クリックすると左のメニューとなります。
次に日負荷曲線表示をクリックすると本日の電流変化が表示
されて負荷の変化が見れます。
電気以外、温度、水量なども日負荷曲線表示ができます。
空調機や部屋、OA各温度では午前中の変化から午後からの
空調設定を変更するなど1日の変化グラフ機能は重要です。
部屋温度に応じて行う冷温水自動制御のみでは夏場は湿度が
絡むため人の判断による手動設定がどうしても必要となります。
そうした場合気温の変化速度が重要となるのでそうしたグラフ
も見ながら私は空調管理をしています。(木曜が私の担当)

詳細データーにするとR相だけでなく3相すべて電流値を確認
できます。
これらはすべて値が記録してあり何月何日の何時の電流値まで
わかり、こうした過去を見れるというのは電気保守管理や状態
異常判定には欠かせない機能です。
中央監視のすべてのデーターは印字せずUSBに定期保存して
いますから昔の電気、空調、水の状況、使用量はいつでもPC
上で閲覧し必要な部分はグラフにして印刷もできるのです。

ここまでなら電圧、電流なんて現地で取る必要ないと思われる
かもしれませんがそれはまた別問題で、保安規定上の点検では
必ず現地盤で測定してそれらは記録に残してください。

その上でこうしたしシステムから得られる過去情報を利用して
運用管理すれば"できる電気主任"と言えるのではないでしょうか?

1日のMAX値をデーターとして月と年グラフも表示できテナント入居
ではその回路で電気的に容量はあるのかの検証もPCで行います。
(入居時は全電気容量リストを提出して頂きます)
又この変圧器の二次側定格電流は2380Aなので計測上下限監視
設定でこの値をこの変圧器には設定しています。
OIL変圧器は油の管理をきちんとして油温度が常に80~85℃
未満なら25年は使用できるわけですから過負荷と温度だけ連続
監視してればいいわけです。

たぶんかなりの現場では監視システムの持つ能力を最大限に利用
はされてないと思います。
実情の負荷状況を調査して適正な値で設定するのはこのメンテ業者
ではなくてそれを利用する人達なのです。
業者はシステムが正常に機能してるか、するか点検するだけ!
これは電気・空調・消防・衛生すべてを網羅してる物で電気主任は
設備の誰より熟知しておかないといけません。


たとえば機械AとBを連動起動させる場合、現場でシーケンスを組む必要
がありますがイベントプログラムを組んでAの起動指令を出した時に同時
にBにも起動指令が出る様にすると1円もかからず実現できます。
そういうのができる様になるにはシステムを勉強しないといけません。

6月某日の1日の電力値の変化グラフをPCで表示させた場合
去年8月に2670KWまで行きましたが共用部80%LED化の効果
がどれだけ反映されるか?たぶん2600KWを切ると思います。

監視システムは取説明を見ると初めての方には遠慮したくなるかも
しれませんがこれを使いこなすと管理レベルは飛躍的に向上します。
★効率的な設定さえ最初しておけば電気主任の意志を反映した監視
を電気主任が休みの日でもしてくれます★
人と違い私の指示通りの事を24H365日確実に実行してくれて私に
とっても一番頼りになるのはこの監視システムです。

ある店舗で事務室の事務機材を入れ替えたんだけどその
新しい書棚をそこに置くと壁にある照明タンブラSWが隠れて
しまい操作できなくなるという相談を受けたの
すでに大量の書類のある書棚を設置してしまった状態で
据えた後で照明操作ができない事に気がつかれたのです。
お客様設備のため写真は撮れなかったので同じ物で説明する
と今回はこういう方法で解決させました。

その操作できない部屋の照明タンブラSWはONのままですから
何で事務所の照明のON/OFFをさせるが問題です。
営業中は事務所は消す事はないという話がヒントになりました。
売り場はリモコンリレー(RC)になってるからRCの電圧で
マグネットを制御させてその主接点の入切りで事務所の
照明も連動させました。
(その事務室の天井照明は100V、で売り場は200Vと違うため
直にRCからは給電できません。
これらの設備は同じ電灯盤だから天井内での配線も必要なく
短時間で処理できました。

昔イベント部分だけ決まった時間だけ照明が点灯する様にしてほしい
という依頼を受けた時は上の場合で言うならマグネットのコイル電圧
をタイマー制御しました。
私のブログ読者なら何となくあれ?かと想像できたでしょうね。
業者に依頼すると相応の立派な物を導入してくれますがガチに費用が
高くなるので私でできる事なら協力してあげます。
お客様は貴方がどんな資格を所持してるかは興味ありません。
どれだけお客様のために創意工夫したかで信頼が生まれるのです。


⇒私のブログの最新記事へJAMP