2015年9月9日水曜日

電気主任技術者 仕事:変圧器B種接地線I0r管理

高周波、ノイズ発生の多い機器の場合は電圧も入れてI0rで測定
すれば完璧です。絶縁不良による漏電とは電源周波数と同じ漏れ
電流の事
、それをI0rと言います。電源周波数以外の漏れ電流成
分はすべて絶縁性能に絡む漏れ電流ではありません。停電して
行うメガ、機器稼動状態で行うI0/I0rの双方を併用して低圧回路
管理を行うのが今の電気保守の主流と言えるでしょう。

通常1回路にある30mAのELBがトリップする事態は15mA以上もI0r
が流れるわけです。そういうケースでは不良箇所は完全取替が
必要なケースがほとんど、そうなる前に絶縁劣化を知るという
意味です。_大雑把な言い方ですが対地電圧100VでI0rが1mAで
0.1MΩ、15mAも流れた時点で法定値を完全に下回る状態です。
何かあればELBが切れるという意識で年1でメガだけしていては
築10年を越す現場では漏電トラブル回避は万全ではないです。
特にメガ測定結果で0.1とか0.2MΩなど基準値ギリ回路はヤバイ
いずれ更なる劣化は時間の問題ですね。

貴方が電気主任といなり年1の絶縁抵抗測定をした場合において
対地電圧100V/0.1MΩ回路を合格にしても、問題はありませんが
そのまま来年まで大丈夫とは言えない点は意識が必要です。特
変圧器にLGRがない現場、MCB回路は漏電につていブラインド
状態となる
ので気をつけてください。

漏れ電流は線路の最大配給電流の1/2000以下という条文も確かに
ありますが、普段10~20mAしかないI0が急に100mAになっても上の
条文範囲だからと放置してたらいずれ500mAとかなりLGR警報が
出ます。あくまで最大許容値であって通常使用時の値が30%を超
えて変化したらおかしいと思う
、こういう感覚を持つというか
持たないと正常運営できない事を痛感するのは現場経験をされた
人だけです。だから日常点検で正常時の値を記録するのも大切!
許容値ギリまで到達するというのは相当に症状が悪化してると
私は考えています。基準値は知る必要があり、でもそこまで何
もしなくていいという意味ではありません。


変圧器B種接地電流がI0が180mAもある、I0rで測定すると15mAも
下がる、普通はI0r=I0×0.7程度です。その原因を調査したら機
械室にあるインバーター電源と判明、I0とI0rの差があまりに大
きい時は高周波機器を疑う、I0rが50mA未満なので許容値はパス
してるけど、何かのタイミングで高周波成分が増えると変圧器
LGR警報が出てしまう。その機械の業者に相談するしかないです
こういう現象は割りとあると思います。
参考動画・⇒変圧器B種接地電流が190mAです。

I0rで50mAを少しだけ超えてる&値が51⇒60⇒53⇒62mAと上下
する、普通測定中はほぼ変動しない。漏れ電流が極大でなく
ても妙に上下する場合は末端で何か不具合がある事が多い
ただこのレベル段階では見つけられないかもしれない、こう
のが嫌、200mAとか上がれば見つけられるのですけどね。

上表示はノイズカットI0で62.63mAです。I0rで38mAで一定値
なら問題なし、これがI0rで60mAとほぼ変わらず値が妙に上下
している、私にとってこれが一番嫌な状態です。機器内部が
原因ならメガでも見つけられない場合もあります。注意して
ると数日してI0で40mAになる場合もある、どこかのテナント
が調子の悪い機器を一時的に使用していたのか?漏電って
本当に奥が深いです。今だに私レベルでは悟れません。

交流電源回路では対地間静電容量はなくせないので最低限
ノイズカットクランプ、完璧に判定するならI0rクランプ
が最善です。ELBやLGRはハイグレードな装置以外は高周波
も含むI0で漏電の有無を判定しています。LGRは警報だけ
ですがELBは停電させてしまう
のが一番の難点ですね。

変圧器B種接地だけでなく各テナント分電盤主幹でもI0を
測定すれば万全な絶縁管理ができると思います。年1に
停電させて行うメガ測定だけでは築15年以上の物件は
怪しいですね。特に接続されてる機器の劣化が発生する。


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